ランキングをベースにした番組はテレビ局の定番コンテンツだが、テレビ朝日は「総選挙」と題してさまざまなジャンルのランキング番組を10年以上放送し続けている。他局が追随しないなか、テレ朝が“総選挙”を続ける狙いはどこにあるのだろうか。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんがその理由について分析する。
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13日の土曜夜、『ファン1万人がガチ投票!プロレス総選挙』(テレビ朝日系)が放送されます。
この特番では日本全国のプロレスファンに、「本当にスゴいと思う“現役プロレスラー”は誰なのか?」というアンケートを実施し、ベスト15を発表(21時55分~22時55分)。さらに放送終了後、“メタバース六本木”空間で16~30位を発表(22時40分ごろ~24時30分)し、その後、再び地上波に戻って31~50位を発表(24時30分~25時30分)する、計3時間超の大型特番です。
なぜお盆のド真ん中に“プロレス総選挙”なのか。
これは「テレビ朝日が長年にわたって業界最大団体・新日本プロレスの試合を放送していること」「その新日本プロレスが創立50周年イヤーであること」「ファンが一年で最も盛り上がるシリーズ『G1 CLIMAX』が開催中であること」「主要大会を生中継・見逃し配信する『新日本プロレスワールド』への誘客が期待できること」など複数の理由が考えられます。
しかし、テレビ朝日の『○○総選挙』特番は、今年5月2日に『鉄道ファンがガチ投票!駅総選挙』、6月25日に『本当にウマいと思う 激辛ラーメン総選挙』が放送されたばかり。昨年も1月3日に『国民15万人がガチで投票!漫画総選挙』、12月27日に『国民5万人がガチ投票!テレビゲーム総選挙』、一昨年も7月20日に『国民1万4千人がガチ投票!お菓子総選挙』、9月6日に『国民13万人がガチ投票!アニメソング総選挙』が放送されました。
テレビ朝日はこれら以前にも、戦国武将、ご当地麺、高校野球、冷凍食品、お城、プロ野球、アイス、ゴジラ、うどん、大相撲、声優、麺チェーンなどのさまざまな『○○総選挙』を年2~4本ペースで放送。しかし、『○○総選挙』がヒット企画なら民放他局は類似番組を手がけるものですが、ここまではそのような動きは見られません。
ちなみに“総選挙つながり”では、一世を風靡した『AKB48選抜総選挙』も2018年以降は開催なし。その間、時代は平成から令和に変わり、人々の嗜好も変わる中、なぜテレビ朝日は他局が追随しない『○○総選挙』を放送し続けているのでしょうか。