登録者数50万人を超えるYouTubeチャンネル「清ちゃんスポーツ」での打撃論が選手の間でも話題になっている清原和博氏(55)。昨年7月に関西テレビのプロ野球中継(阪神×巨人)で11年ぶりにテレビ解説し、解説者として球界復帰を果たした。
これまで少年野球教室での指導や講演など復帰に向けて地道に活動していたが、これをきっかけに表舞台へ出ることになった清原氏。PL学園の後輩である立浪和義氏が中日の監督に就任すると、一気に露出が増えた。今年2月には中日の沖縄キャンプを視察訪問したことが大きく報道され、この時に那覇市内で事故現場に遭遇して救護活動をしたことも話題にもなった。
開幕後の4月20日には関西テレビが中継したDeNA×阪神を解説すると、6月29日にも同じ関西テレビで同カードの解説に再び起用されている。交流戦では5月25日に中日×西武(CBC)、5月28日には日本ハム×巨人(北海道文化放送)の解説にも登場している。在阪テレビ関係者はこう語る。
「昨年、日本ハムの監督に就任した新庄剛志を批判して炎上した経験からなのか、辛口評論は封印している。穏やかな口調で褒めることが多く、中日や阪神の“応援団”の立場をとっているが、それでも経験を活かした打撃解説の評判はいい」
そんな清原氏が空港から北海道行きの便に乗り込もうとする姿をキャッチ。白髪交じりの坊主頭に黒マスク、黒Tシャツ、黒ハーフパンツ姿でひときわ体格のいい清原氏は遠目にも目立っていた。だが、なぜか搭乗時間まで柱の陰に隠れるように立っていたという。居合わせた人はこう語る。
「清原さんは電話を掛けたりしながら落ち着かない様子で搭乗口のほうを見つめていました。その視線の先にいたのは、西武の選手たちでした。搭乗口前の待合室の椅子に座っており、同じ便で札幌遠征に向かうところだったようです。
清原さんは彼らに見つからないように距離を取り、ファーストクラスの搭乗が始まると隠れるようにして機内に消えていった。西武の選手たちはエコノミー席だったからか、最後まで清原さんの姿には気が付かなかったようです」
ある西武OBはこう言う。
「日本ハム戦での野球解説はなかったので、清原はプライベートでの旅行だったのではないでしょうか。OBとして西武の選手たちに挨拶にいくこともできたが、若い選手たちに気を遣ったのでしょう」
清原氏はテレビ解説の仕事は増えているものの、NPBはじめ球団とはまだまだ距離があるという。
「2016年に覚せい剤取締法違反で逮捕・有罪判決を受けたことで、12球団から球場への立ち入りを事実上禁止されていた。テレビ解説はPL学園の後輩の野村弘樹や、現役時代から親しい谷繫元信などの後押しがあったし、中日キャンプ視察は立浪監督と二軍監督の片岡篤史のPL後輩コンビがいなければ実現しなかった。今はコロナ禍で解説者やOBもグラウンドへ降りての取材ができないが、中日以外の球団はグラウンド取材解禁後も清原の立ち入りを認めないだろう」(同前)
順調に社会復帰をしているように見える清原氏だが、球界ではまだまだ克服していかなければならない壁があるようだ。