「日本一早いタイガース優勝マジック」を掲示することで知られる地元の尼崎中央三丁目商店街の対応もそんな文脈のなかに位置づけられそうだ。例年通り3月の開幕時に「優勝マジック143」を点灯させたが、7月2日にヤクルトがホンモノの優勝マジックを点灯させるとその時点で掲示を外した。ヤクルトのマジックが消えてからもそのままで、掲示とともに天井から吊されるシンボルキャラ「めでタイガー」は修理に出されてしまった。
例年は、他チームのマジックが消えると残り試合数を示す商店街のマジックが復活したり、CSクリンチナンバーへの掲示に切り替えられたりするが、めでタイガーが修理から戻った8月18日以降も掲示は空欄のまま。商店街振興組合の寺井利一理事長は淡々とこう話す。
「本物のマジックと違うので、再点灯させると決まって“野球を知らんのんちゃうか”と抗議の電話が入るんです。まあ、それは想定の範囲ですが、今年は開幕前に矢野燿大監督の退任発言があって盛り上がりに欠けているし、2位のDeNAが抜け出し、3位以下がダンゴということもあって再点灯は見送っています。(CSクリンチナンバーの掲示は)まだ未定です」
期待しすぎない姿勢を見せることが、阪神へのいちばんの応援になるということだろうか。