20年以上前から頭蓋骨に注目し、独自の矯正術を編み出したゴッドハンド骨格矯正士・清水ろっかん氏に、頭蓋骨のゆがみと健康の関係について聞いた。
「頭蓋骨は15種類23個の骨が組み合わさってできています。猫背など悪い姿勢のクセや、偏った体の使い方などの影響により、頭蓋骨はいとも簡単にずれたりゆがんだりしてしまいます。頭蓋骨がゆがむと、脳に酸素と栄養を運ぶ血液の流れや、脳を保護し、老廃物を排出する脳脊髄液の流れも悪くなります」(清水氏、以下同)
ゆがみを放置していると、頭蓋骨に納まっている目・耳・鼻などの感覚器官の働きも鈍くなり、さらには脳の疲れを引き起こすとも語る。
「脳の疲れが慢性化すると心身の不調や老化につながり、認知症の危険も招くといわれます。ですから、頭蓋骨のゆがみを正すことが大切なのです」
頭蓋骨のゆがみで最も多いのが、後頭骨や側頭骨が下にずれるタイプだという。
「猫背やうつむき姿勢で首や肩、背中の筋肉がこり固まると、頭蓋骨を下方向に引っ張る力が働くためです。また、人体は心臓などがある左半身の方が重く、大多数の人は左に重心が偏っているので、頭蓋骨の左側の方が下に落ちやすい傾向があります」
頭蓋骨のゆがみは外から見てもわからないほどわずかだが、その影響は甚大だ。
「まず挙げられるのが、首や肩のこり、頭痛です。頭蓋骨は脳にとって『家』ですから、頭蓋骨のゆがみは脳の働きにも悪影響を及ぼします。疲れ目や視力低下、聴力の衰え、嚥下力の低下など、年齢とともに気になる不調も、頭蓋骨のゆがみが一因です」
そこで、脳の環境を整え、脳の疲れを癒すケアとして実践したいのが、今回紹介する「頭蓋骨リフト」だ。すべてを行なう必要はないので、取り組めそうだと思うケアから始めてみよう。