昔から空港を舞台にしたドラマには名作が多い。古くは、空港でこんなにドンパチやって大丈夫だったのかと今思うと心配になる刑事ドラマ『大空港』シリーズ、堀ちえみの『スチュワーデス物語』、観月ありさの『CAとお呼びっ!』、木村拓哉の『GOOD LUCK!!』、空港で起こる騒動を105分ワンカット・ワンシーンにした三谷幸喜作のドラマW『大空港2013』などなど。
その理由はいろいろあるが、まず、言葉だ。『NICE FLIGHT!』の粋も真夢の声、言葉に惹かれたように、航空業界、旅行業界など、空港に関わる職業の専門用語は響きがいい。そもそも半世紀以上前の1970年に放送された空港ドラマの元祖ともいえる『アテンションプリーズ』も、このタイトルでなかったら、印象がずいぶん違っていたはずだ。『NICE FLIGHT!』でも、悪天候で予定とは違う空港に着陸する「ダイバート」なんて言葉が出てきたばかりだが、操縦士が交わす「ゴー」「ラジャー」だけでも、それがコックピットだから絵になるのである。
さらに「副」や「新人」も重要だ。それは彼らに伸びしろがあるということ。その成長過程には厳しい訓練が必須だ。それでも「お客様の安全と快適な空の旅のため」歯を食いしばる。熱血お仕事ドラマの味わいもあるのだ。副操縦士の粋も機長の喜多見(吉瀬美智子)に「どこに出しても恥ずかしくないわね」と言われたばかりだが、今度は新しい機種の操縦訓練が課され、プライベートどころじゃなくなる。
仕事、恋愛、訓練、緊急事態、空港ドラマのすべてを装備したこのドラマが、どう着陸するのか。乱気流のひとつふたつはあるはず。展望デッキシーン、アゲインもあるかも!?