玉森裕太が主演するドラマ『NICE FLIGHT!』(テレビ朝日系)。航空業界を舞台に大人の爽やかな恋愛などが描かれ話題を集めている。過去にはさまざまな空港ドラマがあったが、いずれも名作ぞろい。その理由についてコラムニストのペリー荻野さんが解説する。
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そんなわけで、『NICE FLIGHT!』の倉田粋(玉森裕太)と渋谷真夢(中村アン)のラブストーリーはいよいよ盛り上がってきた。
そこまでの道のりは結構長かった。始まりは、副操縦士の粋がフライト中に緊急事態に見舞われた際、管制官の冷静な声に従って無事に羽田空港に着陸できたこと。粋は「ひと聞き惚れ」した管制官の声の主が真夢とわかったものの、感情表現な苦手な彼女とは、なかなか距離が縮まらない。
それが先日、やっとのことで粋が誘った空から花火が見える「花火フライト」に、彼の搭乗便が遅れたことで乗ることができず、何時間も後にあきらめ顔で待ち合わせ場所の空港の展望デッキに行ってみると、そこに真夢が待っていた…。
いまどき、もうちょっと連絡を密にしてもいいんじゃないの?とも思うが、ふたりはそこで気持ちを確かめ合うのである。
このふたりを見ていて思い出すのは、2019年の『おっさんずラブ-インザスカイ-』だ。このドラマでは、転職して新米CAとなった春田創一(田中圭)を巡り、副操縦士の成瀬(千葉雄大)、整備士の四宮(戸次重幸)、機長の黒澤(吉田剛太郎)の心が揺れ動く。その名場面のひとつが、黒澤が春田を空港デッキに呼び出し、「好きになってもいいですか」と告白するシーンだ。
公園でもなく、屋上でもなく、空港。それだけでなんだかドラマチック。しかも、そこは彼らの職場なのである。いいのか、仕事場で。