年齢を重ねるにつれ耳の聞こえが悪くなり、気になっている人も多いだろう。20年以上前から頭蓋骨に注目し、独自の矯正術を編み出したゴッドハンド骨格矯正士・清水ろっかん氏によると、頭蓋骨は15種類23個の骨が組み合わさってできており、「猫背など悪い姿勢のクセや、偏った体の使い方などの影響により、頭蓋骨はいとも簡単にずれたりゆがんだりしてしまいます」という。そして、頭蓋骨のゆがみは聴力にも影響を及ぼすと語る。
「頭蓋骨が左右どちらかにずれて骨が圧迫されると、ずれたほうの耳の奥の鼓膜や、鼓膜で増幅された振動を電気信号に変えて脳に伝える内耳の蝸牛も圧迫を受け、音が聞こえにくくなると考えられます。私のサロンを訪れる人の9割以上が、左の耳穴のほうが右よりも狭く、頭蓋骨矯正を行なうと、聞こえがよくなる人が続出しています」(清水氏、以下同)
そうした施術経験から考案されたセルフケア方法が、「耳穴スイッチ」だ。このケアは、頭蓋骨のゆがみを一気にリセットする意味でも、きわめて有効だ。
「顔奥の中央にある蝶形骨にアプローチできるからです。蝶形骨は、頭蓋骨を構成する15種類の骨のうち9種類と接しており、頭蓋骨の要となる骨。蝶形骨のずれを調整することで頭蓋骨全体のゆがみがリセットされ、耳や鼻、目などの感覚器の不調が改善していきます」
清水氏は、「耳穴スイッチ」に加えて取り入れたい耳ケアも教えてくれた。
「耳には全身のツボが集中しており、耳の近くには脳につながる脳動脈が走っています。耳全体を刺激する『耳ほぐし』は、脳血流のアップや全身の健康効果も期待できるでしょう。『耳抜き』は、耳の内部の圧を調整して、耳奥を活性化するケア。耳が詰まった感じがしたり、音がこもって聞こえたりする時などに試してみてください」
【プロフィール】
清水ろっかん(しみず・ろっかん)/骨格矯正士、柔道整復士。東京・高円寺の整体サロン「ろっかん塾」主宰。テレビ・雑誌でも活躍し、『眼圧リセット』(飛鳥新社)など著書多数。清水ろっかん著・長田夏哉監修『頭蓋骨リフト』(1430円、KADOKAWA)発売中。
モデル/竹内佐織(オスカープロモーション)、撮影/小倉雄一郎、取材・文/城川佳子
※週刊ポスト2022年9月2日号