ライフ

降圧剤、解熱鎮痛剤、ステロイドなど 薬の注意すべき「副作用リスト」

(写真/GettyImages)

薬の副作用に注意したい(写真/GettyImages)

「薬も過ぎれば毒となる」ということわざよろしく、病気やけがを治すはずの薬があなたの体を蝕んでいる可能性がある。その不調やその症状、薬が原因かもしれない。思い当たるなら、いますぐ手元にある薬袋やお薬手帳を見直してほしい。

 新型コロナがまん延して以降、ちょっとした不調が出るだけで不安に陥る人が多い。千葉県に住む主婦の横山佳子さん(52才・仮名)もこんな体験をした。

「急に空咳が出るようになったんです。コロナかもしれないと思い、PCR検査を受けたら結果は陰性。それでも咳は止まらず、不安でした。

 薬科大に通う娘に話したら『のんでいる薬に原因があるんじゃない?』って言われて……。急いでかかりつけ医に相談したところ、のみ始めたばかりの降圧剤の副作用の疑いがあるとのことで、薬を変えてもらったら咳はピタリと止まりました」

 医療は日進月歩であり、次々と新薬が登場する。その恩恵により、高いレベルの治療を受けられる時代になった。国民皆保険のもと投薬治療が安価で受けられ、75才以上の40.7%の人が5種類以上の薬をのんでいるという厚生労働省のデータもある。

 だが、冒頭の横山さんのように、薬が体に思わぬ影響を及ぼしていることがある。

 国際未病ケア医学研究センター長の一石英一郎さんが説明する。

「薬には効果があるのと同時に、副作用もあります。特に年齢を重ねると代謝が落ち、薬が効きすぎたり、副作用が強く表れることがあるのです。

 年齢や更年期のせいだと放置してきた体の不調が、実はのんでいる薬の意外な副作用だったということも珍しくありません」

 あなたが悩む不調は、もしかしたら常用している薬の副作用かもしれない。抱える症状から「逆引き」で副作用である可能性を探ってみよう。

頭痛持ちの人に血便が

 一石さんは診察室で、こんな経験をした。

「めまい、ふらつきがあるほか、頭がボーッとして認知症かもしれないと心配になって受診した60代の女性がいました。当初は原因不明でしたが、血圧を測定してもらうとかなり低い。詳しく問診したところ、他院で処方された降圧剤をのんでいることが判明しました。薬が効きすぎていたようです」

 その女性は「お薬手帳」を持参したものの、医療機関ごとに別のものを使っていた。しかも診察で降圧剤をのんでいることを伝えていなかった。

「他院と連携して降圧剤を減らしたところ、症状はピタリと消えました。原因がわからないままでは認知症やめまいの薬が追加され、ますます原因がわからなくなるところでした」(一石さん)

 降圧剤は種類が多く、このほか、ものによってはひどいむくみ、うつ症状、便秘などの副作用を引き起こすものも報告されている。

 都内の植田智子さん(48才・仮名)のケース。「悩みに悩んだ血便も副作用によるものだった」と当時を振り返る。

関連キーワード

関連記事

トピックス

安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
卓球混合団体W杯決勝・中国-日本/張本智和(ABACA PRESS/時事通信フォト)
《日中関係悪化がスポーツにも波及》中国の会場で大ブーイングを受けた卓球の張本智和選手 中国人選手に一矢報いた“鬼気迫るプレー”はなぜ実現できたのか?臨床心理士がメンタルを分析
NEWSポストセブン
数年前から表舞台に姿を現わさないことが増えた習近平・国家主席(写真/AFLO)
執拗に日本への攻撃を繰り返す中国、裏にあるのは習近平・国家主席の“焦り”か 健康不安説が指摘されるなか囁かれる「台湾有事」前倒し説
週刊ポスト
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
維新はどう対応するのか(左から藤田文武・日本維新の会共同代表、吉村洋文・大阪府知事/時事通信フォト)
《政治責任の行方は》維新の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 遠藤事務所は「適正に対応している」とするも維新は「自発的でないなら問題と言える」の見解
週刊ポスト
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
《自維連立のキーマンに重大疑惑》維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 元秘書の証言「振り込まれた給料の中から寄付する形だった」「いま考えるとどこかおかしい」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン