原氏は“緩衝材”の使用を勧める。
「床にそのまま座ることは避け、背の低い台座や座布団、クッションなどの上に座ると膝を保護できます。外出時や人の家で地べたや床に座らなければならない場合は、『膝が悪いんです』と言って台座やクッションを求めればマナー違反にならないので、できるだけ楽な姿勢にしましょう」
トイレにも膝痛持ちならではの注意点がある。懸念となるのは膝の角度。
「和式はどうしても膝を曲げる角度が大きくなり、膝関節に大きな負荷がかかるので、高齢者の自宅はなるべく洋式トイレが望ましい。自治体や介護保険などでトイレのリフォーム費用の補助金を利用して和式トイレをリフォームするのも手です」(原氏)
寝間着から着替える際には、膝を冷やさない服装にすることも重要だ。
「膝が冷えると血流が滞って筋肉が固くなり、股関節の動きが鈍るため膝への負担が増します。そろそろ夏も終わりですが、半ズボンよりも長ズボンや股引を着用するほうが安全です。クーラーが効いた室内では、膝掛けやサポーターを利用して膝をいたわってほしい」(同前)
※週刊ポスト2022年9月9日号