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セ・リーグ「熾烈な最下位争い」展望 広島・中日に上ブレ要素、巨人vs阪神の裏天王山も

長嶋監督以来の最下位にも現実味が……(原辰徳監督。時事通信フォト)

長嶋監督以来の最下位にも現実味が……(原辰徳監督。時事通信フォト)

 上位2チームの直接対決天王山(8月26~28日)で、首位ヤクルトがDeNAに3連勝したことで優勝争いの大勢が見えてきたセ・リーグのペナントレース。一方、CS進出の最後の椅子を狙う3位争いは激しさを増している。8月28日終了時点で3位・阪神、4位・広島、5位・巨人、6位・中日が3.5ゲーム差にひしめく団子状態だが、言い換えれば“熾烈な最下位争い”ということでもある。

 残り試合数が30を切り(DeNAのみ32試合)、貯金がある上位2チームがBクラス落ちする可能性は低くなった一方、下位4球団はそれぞれ深い悩みを抱えている。スポーツ紙デスクが語る。

「防御率トップの青柳晃洋と2位の西勇輝を擁する阪神がアタマひとつ抜けている印象ですが、チーム打率は最下位。4番・佐藤輝明の調子が上がらないことに加え、肝心な場面でのエラーで好調な投手陣まで調子を崩さないかが心配です(失策数は巨人の74に次ぐ72)。

 巨人、広島はどちらもコロナ感染での主力の大量離脱以降、戦力のバランスが大きく崩れてしまった。巨人の先発陣は戸郷翔征に頼り切りのうえ、原辰徳・監督が酷使気味の救援陣が不安だらけです。広島は九里亜蓮、森下暢仁の二枚看板が粘りの投球を見せているものの、安定感抜群だった床田寛樹の離脱(右足関節骨折)が痛く、巨人と同様に救援陣にしわ寄せがいっています」

 残るは中日だが、番記者の言葉には諦めムードが漂う。

「先発も抑えも阪神と遜色ないレベルなのですが、いかんせん点が取れない(苦笑)。防御率2点台半ばのエース・大野雄大が6勝(7敗)という状態では、さすがに投手陣がかわいそうすぎる。防御率1.03 の守護神R・マルティネスは宝の持ち腐れになっています。やはり最下位に一番近いと言わざるを得ませんね……」

 ところがそんなチーム状況にもかかわらず、なぜか中日ファンからは“楽観的”な声があがる。

「CS進出は期待してないけれど、何だかんだいって最後はドベにはならないのがドラゴンズ。まぁ、最下位になればフロントも補強とか首脳陣の入れ替えとかに本腰を入れるだろうから、本当はそのほうがいいのかもしれないとも思うけど……」(中日ファンのひとり)

 意外にも中日は“最下位慣れ”していない。2000年以降の22シーズンで最下位となったのは谷繁元信・監督時代の2016年のみ。落合博満・監督が率いた2004~2011年にAクラス常連だったとはいえ、それ以降の低迷期でも最下位は1シーズンだけだ(過去10シーズンで5位が5回もあるのだが)。

 そんな“実績”もあっての「ドベにはならない」自信なのだろうが、今季のペナントレースにはこれまでと大きな違いがある。ライバルとなるチームも“最下位慣れ”していないのだ。

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