今季もV奪還は絶望的な状況(時事通信フォト)

今季もV奪還は絶望的な状況(時事通信フォト)

 主将のショート・坂本勇人(33)も、今季はヒザや腰の故障で何度も戦線を離脱。同じポジションだった広岡氏だけに、厳しい評価を下す。

「今の巨人の内野陣は嘆かわしい。ランナー一・三塁で内野ゴロに打ち取っているのに、ゲッツーが取れずに1点を与えている。坂本にしても、捕れる球だけ捕っていて、二遊間のゴロに手が届かないと思ったら追わない。それなのに原は坂本のライバルも作ろうとしないのだからね……。昔はあんなに休んだら戻るポジションはなかったですよ。しかも、原はとにかくオーダーもポジションもコロコロ変える。そんなことをして選手が育つわけがありません」

 昨オフには新たに3年契約を結び、原体制があと2年は続くことになる。

「オーナーはあと2年で次の指導者を育ててほしいという。選手を育ててもいない原に何を教えてもらうのでしょうか」

マルポーズしてる場合か

 2002年に長嶋茂雄氏(86)の後を継いで初めて監督に就いた原氏は“第3次政権”の4年目を迎えた。在任通算15年でリーグ優勝9回、日本一3回という実績があるが、長期政権の弊害も見える。

「コーチの阿部(慎之助)も桑田(真澄)も、モノを言えていないでしょう。それでは強くなりません。

 私が原に厳しく言うのは、後任監督として長嶋に推薦したのが私だから。野球人のお父さん(東海大監督だった原貢氏)に相談できる無垢な若者として期待した。ただ、お父さんが(2014年に)亡くなっておかしくなったね」

 求められるのは「厳しさ」と広岡氏は強調する。

「私は厳しい監督だと選手から嫌われていた。西武時代も選手は“優勝してあの監督に文句を言わせないようにしよう。それで胴上げで1、2の3で落としてやろう”と頑張った。今の巨人にそういう空気があるのか。丸(佳浩、33)が本塁打を打って、監督が一緒にマルポーズをやっている。水原(茂)さんや川上(哲治)さんが同じことをすると思いますか。誰かがホームランを打ったらベンチで他の選手が悔しがるのが巨人だった。

 戦力のある巨人で勝てない原は、辞めて弱いチームの監督として勉強すればいい。それで日本一になれば拍手喝采です」

 その去就はどうなるか。

※週刊ポスト2022年9月16・23日号

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