5人組YouTuberであるコムドットの初冠番組『コムドットって何?』が、9月27日よりフジテレビで放送スタートする。有名芸能人をゲストに招き、「地元ノリを全国へ」「放課後の延長」という彼らのスローガンを活かした企画を行うという。
コムドットは2018年10月に結成。いまやメインチャンネルの登録者数は360万人を超え、昨年12月に発売された初写真集『TRACE』(講談社)は歴代の男性写真集1位となる売上を記録。今年に入ってからはUHA味覚糖の「水グミ」CMに起用され、VOGUE GIRL JAPANでシャネルとのタイアップ記事が公開されるなど、飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍している。
一方で、コムドットは大勢のアンチを抱えてもいる。その理由が、過去の炎上だ。
これまでコムドットは、「コロナ禍で保護者すら来場が禁止されている大学の卒業式会場を訪れ、撮影を敢行」「緊急事態宣言下に大規模飲み会に参加」「花火禁止の公園で花火をする様子を撮影」「深夜のコンビニで騒ぎ、警察官も出動」「未成年で飲酒・喫煙していたことが発覚」といったトラブルを起こしてきた。謝罪コメントを発表しても結局またトラブルを起こすせいで、ネット上では〈形だけの謝罪〉〈反省していない〉など厳しい声もある。コムドットに対して、“素行不良”のようなイメージを抱いている人々は多いようだ。
近年、地上波テレビはコンプライアンスを非常に重視しているが、それでもコムドットは魅力的な存在らしい。
彼らが冠番組を任された理由をメディア研究家の衣輪晋一氏が分析する。
「各民放局はスポンサー受けがいい10~40代を意識した番組作りにシフトしています。その中でも、フジテレビは昔から『若者といえばフジテレビ』という自負を持っています。だからこそ、YouTuberにいきなり初冠番組を任せるという思い切った決断に至ったのでしょう。SNSで紹介したスイーツが全国のコンビニで売り切れ続出になるなど、コムドットは若者を中心に強い影響力があります。
港浩一さんが6月からフジテレビの新社長に就任したことも大きいと思われます。港社長は、当時“最強の素人”だったとんねるずの魅力をテレビの世界に落とし込み、スターになるべく支えた盟友です。フジテレビがコムドットに初冠番組を持たせるのは、『とんねるずの夢を令和にもう一度』みたいな思惑もあるのかもしれません」
フジテレビの港浩一社長は、「明るく楽しく元気なフジテレビのDNAをよみがえらせる。フジテレビの再生、復権。“フジテレビ・ルネサンス”です」と定例会見で語っていた。
「自ら企画・編集を手掛けるYouTuberとは、それ自体がひとつの制作会社のようなものです。彼らがテレビ局と組むことで化学変化が起きて、新しいものが生まれる可能性は十分にあります。少なくとも『コムドットって何?』を経て、フジテレビにはYouTuberと一緒に番組作りをするノウハウが蓄積されます。それは港社長が掲げる“フジテレビ・ルネサンス”の構想において有意義な試みと言えるはずです」(衣輪氏)
コムドット起用により、フジテレビ・ルネサンスは実現するか。