《親父の息子にしてくれてありがとう 生まれ変わってもイカした俳優とイカしたバンドマンの親子になろうぜ 愛してるよ》──そう息子に言わしめるほど古谷一行さんは、俳優としてはもちろん、よき父でもあった。親友や家族に支えられ、「復帰」を目指して奮闘していた名優の「最後の日々」──。
日本が誇る名優が、また1人、世を去った。
《弊社所属俳優 古谷一行が2022年8月23日 火 永眠いたしました。(中略)弊社の誇るべき俳優として、数多の作品に出演し、かけがえのない財産を残してくれましたこと、心より感謝の気持ちを持ってお見送りさせていただく所存でございます。病克服後、次なる挑戦に向けて、家族の見守りと共にトレーニングに通う日々を送っておりました矢先、この度の訃報となる予期せぬ出来事に見舞われてしまいました》
9月2日、俳優の古谷一行さん(享年78)が亡くなったことを所属事務所が発表した。
「実はここ2年ほど、古谷さんは役者の仕事を休んでいたんです。毎年、舞台や映画、ドラマなど年間4~5本の仕事をこなすほどの超仕事人間だっただけに、体調がよくないのかと心配する声が上がっていた矢先の出来事でした」(広告代理店関係者)
突然の出来事に家族はショックを隠せなかった。息子で人気ロックバンド『Dragon Ash』のボーカルの降谷建志(43才)は、古谷さんが亡くなった3日後の8月26日に音楽フェスに出演予定だったが、前日に体調不良のため出演を辞退していた。
「古谷さんと降谷さんの親子仲のよさは有名です。降谷さんは妻のMEGUMIさん(40才)と結婚後、古谷さんの自宅のすぐ隣に豪邸を建てたほど。孫の降谷凪さん(13才)が2020年に映画『ラストレター』で俳優デビューしたときには、古谷さんはとても喜んでいたそうです。降谷さんのショックは相当なもので、歌えるような状態ではなかったと聞いています」(音楽関係者)
今年7月、『女性セブン』は古谷さんが度々外出する様子を目撃していた。かつての威厳ある風格と比べると、腕や首はずいぶんほっそりしていた。手には杖を持ち、一歩一歩ゆっくりと歩いていたが、濃紺のキャップとマスクの間からのぞく眼光は以前と変わらず鋭かった。このとき、記者が所属事務所に体調を確認すると、以前より体重を落としたこと、そして度々通院していることを認めた上で次のように答えた。
「一昨年、古谷一行は、突然見舞われた大病にも打ち勝ち、今後の仕事に向かうべく日々健康に気をつけ、過ごしております。現在、本人の日常は、好きな物を食べたり、行きつけのお店に出かけたり、トレーニングに通ったりと、体力作りにも励んでおります。体重が落ちたせいもあり、皆様には余計なご心配をおかけしてしまった様子ですが、どうぞご心配無きように」
再び役者としてファンの前に姿を見せてくれるはず──誰もがそう信じていた矢先の訃報だった。
「古谷さんは、亡くなる前々日まで食事や日課の散歩をしていて、本当にいつもどおりだったそうです。でも前日、急に顔色が悪くなり、入院することに。病院嫌いだったにもかかわらず、奥さんに家に帰るかと問われても、『今日は入院しようかな』と帰宅を拒んだそうです。その時奥さんは古谷さんの体調の深刻さを理解し、覚悟したそうです。死因は明かされていませんが、コロナウイルスではないそうです」(芸能関係者)