ダウンタウンの松本人志(59才)が今、テレビで数々の実験的なお笑い番組を仕掛けている。いずれもこれまでにない新しい企画ばかり。松本が挑戦を続ける背景とは? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
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10日・11日の2夜連続ゴールデンタイムで、『FNSラフ&ミュージック』が9時間生放送されます。同特番は2度目の放送ですが、昨年は主にネタ番組と歌番組をミックスさせたような構成で、これといった目玉企画は見当たりませんでした。
しかし、今年は『IPPON GP THE LIVE』(仮)というとびきりの目玉企画をラインナップ。これは松本人志さんが大会チェアマンを務める大喜利王決定戦『IPPONグランプリ』の新たな派生企画であり、芸人とアーティストがチーム対抗戦を行うことが明かされています。
あの『IPPONグランプリ』に“アーティスト”が挑み、しかも“チーム対抗戦”を“生放送”で行うという3つの挑戦的な内容に、ネット上は放送前から沸騰。「○○が出てほしい」「あの人ならやってくれそう」などと予想や期待の声があがっていましたが、9日にアーティストチームはSnow Manの向井康二さん、阿部亮平さん、宮舘涼太さん、芸人チームはFUJIWARA・藤本敏史さん、陣内智則さん、フットボールアワー・後藤輝基さんの出演が発表されました。
『IPPONグランプリ』の派生企画と言えば、今年6月25日の『まっちゃんねる』(フジテレビ系)で、女性限定版を放送して話題を集めたばかり。女芸人編と女性タレント編の2本が放送され、特に王林さん、渋谷凪咲さん、神田愛花さん、滝沢カレンさんが出演した後者は称賛一色でした。今回は「アーティスト」「チーム対抗戦」「生放送」という3つの挑戦があるだけに、ツイッターのトレンド1位などのさらなる反響が期待できそうです。
ただ、このような松本さんの挑戦的な企画は、『IPPONグランプリ』絡みだけではありません。
コロナ以降、実験的な特番を連発
松本さんが最も挑戦的な企画を連発しているのは、「面白いと思うことをテレビで実験していく」というコンセプトの特番『まっちゃんねる』。これまで女性版『IPPONグランプリ』のほか、大喜利が苦手な芸人に検問と称してお題を振る『大喜利警察』、ファッションに特化した新たな賞レース『コーデ寄席』、Amazonプライム・ビデオの『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル』の派生企画『女子メンタル』『イケメンタル』が放送されました。
同じフジテレビの特番では、『人志松本のすべらない話』も松本さんが「芸人以外の人にも出てもらいたい」と語っていたように、近年は三谷幸喜さん、清塚信也さん、R-指定さん、古舘伊知郎さん、GACKTさん、ファーストサマーウイカさんなどのトーク巧者を次々に招いています。
TBSの特番では、「ステイホーム型室内アトラクションコンテスト」「一生触っていられるものコンテスト」「『もう一回やらせて!』と言いたくなるものコンテスト」などの今まで扱われたことがないコンテストを開催する『審査員長・松本人志』にも出演。松本さん自身が「体を張って審査する」という演出も含め、実験的なムードの番組です。