芸能

山本耕史、演出家も驚いた記憶力 複数の外国語のセリフを「耳コピで完璧に覚えた」

現場には台本を持ってこないという(C)NHK

演出家も驚いた記憶力(C)NHK

 NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で三浦義村役を演じる山本耕史(45)。数多くの作品で独特の存在感を放つ山本は、一体どのようなキャリアを歩んできたのか。縁ある共演者や演出家がその魅力を語った。【全3回の第2回。第1回から読む

 山本の俳優人生のスタートは「0歳」。赤ちゃんモデルとしてデビューし、子役として活躍した。10歳の時に『レ・ミゼラブル』で初舞台を踏む。

 一貫して大手芸能事務所には所属せず、いまも母親が代表を務める個人事務所で活動している。

 その名が広く知られるようになったきっかけは、1993年のTVドラマ『ひとつ屋根の下』(フジテレビ系)だった。

 交通事故で両親を亡くし、生き別れになっていたきょうだいが長男の呼びかけで一緒に暮らす物語で、フジテレビドラマの歴代最高となる視聴率37.8%を記録した。

 山本は江口洋介、福山雅治、酒井法子、大路恵美という6人きょうだいの末っ子で、車椅子の少年役。当時16歳だった。

 兄役で共演したいしだ壱成が振り返る。

「僕は前年にデビューしたばかりで、『ひとつ屋根の下』は2作目。連続ドラマ出演は初めてでした。まだまだ駆け出しで、NGを繰り返したり監督やスタッフに厳しい指導を受けたりで落ち込むこともありましたが、そんな時に『大丈夫?』と誰よりも気遣ってくれたのが耕史くんだった。

 年は僕が2つ上だけど、役者としては彼のほうが大先輩。当時から安定感があって、ちょっとした表情に引き込まれるような演技をしていました。演技のことで僕が悩んでいるとアドバイスをくれたり、冗談を言って笑わせてくれたりと、緊張している僕によく声をかけてくれたのを覚えています」

 6人は楽屋でもドラマの設定さながら、きょうだいのように過ごしていたという。

「耕史くんはいつもギターを持ってきていて、楽屋でもどこでもギターを弾いていました。すると江口さんも福山さんも集まってきて、ワイワイ盛り上がる。打ち上げでは江口さん、福山さん、耕史くんがギター、僕がキーボードを弾き、ボーカルなしで楽器演奏をしました。大いに盛り上がりました」(いしだ)

 当時から一目置かれていた山本だが、本人の意識は違っていた。後に山本はインタビュー(『家の光』2013年2月号)でこう語っている。

〈俳優としてのプロ意識も欠如していて、二十歳ぐらいまではどんな思いで演じ、なにをやっていたのかもあまり覚えていないんですよ。(中略)学生時代なんて仕事場には半分遊びに行っているようなもので、この道でやっていこうといった覚悟はなにもなかった〉

 そんな山本の意識を変えたのは、21歳の時に出演したブロードウェー・ミュージカル『RENT』の日本初演だった。この舞台を観たいしだが振り返る。

「映像作家を目指す主人公のマーク役がピッタリはまっていて、その振り幅の広さ、演技力に圧倒されました。歌唱力もすごくて感動しましたね」

関連キーワード

関連記事

トピックス

同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
電動キックボードの違反を取り締まる警察官(時事通信フォト)
《電動キックボード普及でルール違反が横行》都内の路線バス運転手が”加害者となる恐怖”を告白「渋滞をすり抜け、”バスに当て逃げ”なんて日常的に起きている」
NEWSポストセブン
入場するとすぐに大屋根リングが(時事通信フォト)
興味がない自分が「万博に行ってきた!」という話にどう反応するか
NEWSポストセブン
過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
初めて沖縄を訪問される愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
【愛子さま、6月に初めての沖縄訪問】両陛下と宿泊を伴う公務での地方訪問は初 上皇ご夫妻が大事にされた“沖縄へ寄り添う姿勢”を令和に継承 
女性セブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
“極度の肥満”であるマイケル・タンジ死刑囚のが執行された(米フロリダ州矯正局HPより)
《肥満を理由に死刑執行停止を要求》「骨付き豚肉、ベーコン、アイス…」ついに執行されたマイケル・タンジ死刑囚の“最期の晩餐”と“今際のことば”【米国で進む執行】
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン