ここ数年、ネットの普及でテレビ局も従来通りの番組放送だけでなくイベントの開催やネットでの番組宣伝など様々な形で視聴者獲得に苦心している。その中で、各局が躍起になっているのが女性アナウンサーを起用した「YouTube配信」だ。テレ朝は「動画、はじめてみました」、TBSでは「アナウンサーのゆるちゃん/たりかしCh.」といった具合にチャンネル開設されている。そこでは普段、テレビで真剣な表情でニュース番組に出演する女子アナも「ネットだから」ということなのか、フランクな姿を見せて話題になっている。
女子アナウォッチャーの丸山大次郎氏が女子アナの「YouTube出演事情」を解説する。
「最近は各局とも視聴率の良い特番が増えたことで、地上波の番組内で女子アナの出演する機会がかつてより大分減少しました。ネットへの出演はそうした影響もあるように思います。特にテレビ朝日はサイバーエージェントと一緒にAbemaTVを運営していて、こちらにも多くの女子アナが出演しているのが特徴的です。
またYouTubeへの出演は番組を宣伝するだけでなく、女子アナとコラボレーションした企業のCMが流れるなどビジネス的なメリットもあるのだと思います。ただ、最近は女子アナが“プライベート”な面を公開したり、女子アナ本人にフィーチャーした企画が増えてきているので以前より“タレント化”が進んでいると言えるかもしれません」
特に丸山氏が注目するのが、テレビ朝日の三谷紬アナ(28)とTBSの近藤夏子アナ(26)だ。
「三谷アナは女子アナとしては異例のダイエット企画に挑戦しました。見事に目標の10キロ減量を果たすなど、タレント顔負けの根性とエンタメ力を見せたことでネット上でも一躍注目の的になりました。彼女は地上波では『まだアプデしてないの?』などのバラエティ、あとはAbemaへの出演がメインですが知名度は抜群。新しいタイプの局アナになりました。
TBSの近藤夏子アナも同期でミス東大出身の篠原梨菜アナ(25)などに比べて、入社当初は少し地味な印象だったのですがYouTubeで“大化け”しています。チャンネルの立ち上げから参加していて、ノリがよく天然っぽいキャラを炸裂させてかなりの存在感を発揮しています。特に『1週間の春服コーデ!身長168cm・元モデル』という動画では、健康的なタンクトップに美脚が露わになったショートパンツ姿で登場し、ナマ着替えを披露。元モデルだけあってオシャレな着こなしを披露していました。ここまであけすけにやり切れるタレント性は今後、非常に期待できると感じました。女子アナといえば番組内で原稿を読むというのが基本ですが、今後はネット発の姿でファンを増やしてテレビ視聴に誘導する新しいタイプの人気アナになりそうな予感があります」(丸山氏)
メディアが多様化するなかで、女子アナの働き方や仕事内容にも大きな変化の波が起きているようだ。