終盤に差し掛かっているNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。9月11日放送の第35話では、御家人である畠山重忠(中川大志)の処遇を巡って、主人公の北条義時(小栗旬)とその父・時政(坂東彌十郎)との対立が浮き彫りになった。
身内同士での権力闘争の中心で暗躍し、親子間の対立にも気丈な態度を崩さない義時。このような「ダークな義時」の印象が強まったのは、鎌倉幕府を開いたドラマ前半の主人公・源頼朝(大泉洋)が命を落として以降と捉えられるだろう。人を信じない性格で数々の御家人や弟・義経(菅田将暉)までも“粛清”し続けた頼朝の姿を、義時は追っているようにも見える。
ドラマ内で頼朝は落馬をきっかけに寝たきりとなり命を落としたが、大河ドラマに詳しいものまねタレントの松村邦洋は、「頼朝は義時に毒殺されたのでは」と驚きの説を語る。
「僕は、頼朝は義時が毒を盛って殺したという線もあると思うんですよ。頼朝が死ぬ回で、最後に頼朝に水を飲ませていたのは義時だから。頼朝は『喉が渇いた、小四郎、水を汲んできてくれ』と義時に頼んで水を飲んだあと、倒れて死んでるんです。最後に異物を混入させることができる可能性があったのは義時だけじゃないですか」(松村)
史実上頼朝の直接の死因は明確になっていない。一方でドラマ内では、火葬の際に義時が「(頼朝の遺体が)燃え残っては困るのだが」とこぼすなど、“義時犯人説”を匂わせる発言をしている。
さらにこの毒殺説は、これまた死因が明らかになっていない義時自身の死亡時の伏線になっている可能性があると、松村は続ける。9月4日放送の第34話では義時が第3の妻・のえ(菊池凛子)に執拗にキノコを勧めるシーンがあり、ネットでは「義時はのえに毒キノコを食べさせられて死ぬのでは」という考察も飛び交ったが、松村は最後まで”悪の義時”が貫かれるのではと話す。
「散々前振りしたキノコの毒で死ぬというラストも、ポップで面白おかしくていいとは思いますけどね。でも最後の最後で、“悪い、恐ろしい義時”として終わるんだったら、実は頼朝に毒を盛った水を飲ませたのは義時だと、泰時にも伝わるような形でわかって終わるというのは、ダークな義時の幕引きにぴったりな気がする」
泰時は頼朝の死亡時、頼朝は落馬より先に気を失っていたのではと義時に伝え、義時は「よくぞ見破った」とその考察を賞賛していた。義時の死の直前、泰時が“義時犯人説”に気づき、義時が再度「よくぞ見破った」と語る最終回はあるか──。