旧統一教会の政界汚染はどこまで広がっているのか。最南端・沖縄がその“最前線”となっている実態を、ユニクロなどへの潜入取材で知られるジャーナリストが掴んだ。(文中敬称略)【全3回の第3回。第1回から読む】
* * *
旧統一教会は、沖縄県でどのような問題を起こしてきたのか。
被害者からの相談を受けてきた弁護士の三宅俊司は、これまで7件の案件を手掛けた。
「沖縄での被害者は60代から80代までの高齢者で、その子供が被害に気づいて、統一教会と交渉するというケースがほとんどだ。私が扱った中で、最も被害額が大きかったのは約4000万円だった。本土なら、ほとんどの家庭がどこかのお寺に属し、その檀家であることが多い。だが、先祖崇拝が強い沖縄の場合、統一教会が悪用する先祖の祟りという話が受け入れられやすい土壌がある」
80代の男性の場合、弟が沖縄戦で行方不明になったという新聞記事が出た。それを読んだ旧統一教会の信者が、私たちなら弟さんを見つけることができる、と言って男性に近寄ってきて、献金や壺の購入費用として約2400万円を献金させたという。
三宅は佐喜眞淳の謝罪についてこう憤る。
「彼が謝っているのは、統一教会との付き合いがバレてしまい選挙に不利になってごめんなさい、ということ。けれど、本来なら、自分が統一教会の広告塔となることで、被害を拡大させたことを、被害者に謝るべき。その上で、統一教会との断絶を誓うのなら理解できるが、佐喜眞氏にその意思はなかったようだ」
佐喜眞と旧統一教会とのつながりを探していくと、佐喜眞との関係をSNS上で自慢げに拡散している人物を見つけた。
旧統一教会の関連団体「沖縄県平和大使協議会」で「平和大使」を務める宮城一樹(仮名)だ。宮城が代表を務めるNPO法人が今年7月に開いたイベントのチラシには、後援として「沖縄県平和大使協議会」と旧統一教会の機関紙「世界日報」の名前がある。
宮城のフェイスブックをさかのぼっていくと、2020年1月に沖縄県下で行なわれた「沖縄平和講演会」では、旧統一教会の元会長である徳野英治をはじめ佐喜眞や、自民党所属の政治家の姿、それに自らも政治家と握手する写真をアップしている。佐喜眞とのツーショットも何度も出てくる。
宮城のフェイスブックの写真によれば、2019年から2021年にかけて佐喜眞が合計8回以上、旧統一教会関連のイベントに参加していることが分かる。