ボーダーのロングTシャツに黒のスエットパンツ。キャップを目深に被り、肩からは10年以上愛用しているというルイ・ヴィトンのバッグを下げている。9月11日の夕方、劇団☆新感線の舞台『薔薇とサムライ2‐海賊女王の帰還‐』の富山公演を終えた天海祐希(55才)は、大きなスーツケースを引いて東京行きの新幹線乗り場に現れた。
「舞台が終わってすぐに新幹線乗り場に向かったそうです。他の共演者たちは公演中、富山の夜の街に繰り出したりとプライベートでも楽しんでいましたが、天海さんは基本的にはホテルに籠もっていたようですね。コロナ対策の意味合いもあるのでしょう。もちろん外出することは悪いことではないのですが、舞台終了後に寄り道せずに帰京するとは、天海さんのプロ意識の高さが伺えます」(舞台関係者)
同舞台は2010年に上演された作品の続編で、富山公演を皮切りに新潟、大阪、東京での上演が予定されている。
「この舞台のテーマは『世代交代』です。上演に先立って行われた記者会見で、天海さんは作品を通して“世代交代をしろと暗に言われていると受け止めている。新感線への出演は最後になるかもしれない”と話していました。天海さんは新感線の舞台に出られて長いですから、今回の舞台にかける思いも強い。後悔のないかたちでバトンを繋ぐためにも、積極的に後輩とコミュニケーションをとっているようです」(前出・舞台関係者)
天海といえば、民間企業が調査するあらゆる「理想の上司ランキング」でトップに君臨してきた。芸能界でも天海を慕う後輩は多く、彼女と共演した若手俳優は「伸びる」というジンクスまであるほどだ。
「天海さんは後輩が悩んでいるなと感じたとしても、自分から声をかけることはあまりないんです。相手がまだアドバイスを受け入れられる状態じゃなかったら、自分の言葉が重荷になってしまうことを危惧しているんです。本当にアドバイスが必要な時は、相手から質問してくるはず。その時に教えてあげればいいという考え方なんです。
そんな彼女の好きな言葉のひとつが『頑張りすぎない』。自分から助言しないのは相手に頑張りすぎさせないためで、反対に励ましの言葉を自分からかけることがあるようですが、それは、思い詰めてしまって頑張りすぎるのを防ぐ意味もあるようです。天海さんも先輩の言葉に救われたことがたくさんあったようで、若い人にとって言葉の力がいかに大きいかを理解しています。その配慮が後輩に伝わり、力を引き出すことにつながっているのでしょう」(天海を知る芸能関係者)
世代交代がテーマとなる今回の舞台には、新感線初参加のフレッシュなメンバーも多い。天海は、後輩たちにどんな言葉をかけたのだろうか。