巨人・坂本勇人の女性スキャンダル問題が様々な週刊誌・ウェブメディアに報じられているが、新聞とテレビは「完全スルー」の状況が続いている。
多目的トイレで性行為に及ぶなど複数の女性と不倫関係が『週刊文春』で報じられて活動自粛に追い込まれたアンジャッシュ・渡部建、銀座のクラブでホステスにセクハラ行為をしたことが『週刊新潮』で報じられた俳優の香川照之は、テレビのワイドショーや新聞で一連のスキャンダルが連日大きく取り上げられていた。
だが、今回の坂本の件を新聞、テレビは“黙殺”している。報じられた内容を比べると、坂本の件も渡部、香川と大きな差はないように感じるが、巨人は記者会見を開く予定はなく、坂本はスキャンダルが報道された後も試合にスタメンで出続けている。
球界でこういった女性問題は過去にも報じられてきた。全国紙記者は「昔は、プロ野球選手は浮気などの女性スキャンダルがあってもグラウンドで結果を出せばいいというような風潮が確かにあった。でも今は時代が違う。女性ファンや子供たちに対する裏切りともいえる行為が発覚すれば、球団のイメージブランドが大きく失墜する。球団も厳しく処分するようになっています」と指摘する。
元ロッテ・清田育宏のケースは記憶に新しい。2020年9月末の札幌遠征で清田が女性を同伴してロッテの選手らと同じ札幌のホテルで「お泊り密会」をしていたことを、写真週刊誌『FRIDAY』が2021年1月に報道。この後にコロナの集団感染が発生し、清田も感染。球団は新型コロナウイルス感染防止のため「部外者との会食禁止」の規則を設けていたが、清田は球団の事情聴取で女性と宿泊していたことを隠して虚偽の報告をしたことが判明し、無期限謹慎(活動停止)処分を受けた。さらに、この処分が解けた復帰初日に再び不倫デートしていたことがまたしても『FRIDAY』で報じられ、球団から「度重なる不適切な行動及びチームに対する背信行為により、これ以上の選手契約を維持することはできない」として、5月に契約解除された。
では、なぜ数々の女性スキャンダルが報じられている坂本に対し、テレビ、新聞は取り上げようとしないのだろうか。スポーツ紙デスクは渋い表情を浮かべ、口を開く。
「巨人や親会社の読売新聞から『坂本のスキャンダルを報道するな』と直接言われているわけではない。ただ、巨人のスーパースターを批判することには大きなリスクが伴う。例えば、坂本の結婚や引退は大きな特ダネになる。仮に今回のスキャンダルを報じたことで、結婚や引退のスクープが取れなかったり、情報が回ってこなかったりしたら大きな痛手です。
また、巨人は他球団と比べて注目度が高い。多くの球団は1人の番記者で取材をしますが、巨人は紙面の扱いが大きいため各社複数の記者を置いて投手担当、野手担当、監督担当に分かれている。もし、巨人に嫌われて取材活動に支障をきたすと紙面作りがままならず、スポーツ紙は死活問題になる。だから各紙が横並びで報じない状況になっている。世間の常識からズレていることは分かっていますし、このままではいけないのですが……」