芸能

メカニックデザイナー・大河原邦男さん「私の血肉はタツノコプロで育まれたようなもの」

メカニックデザイナーとして活躍した大河原さんが明かす

メカニックデザイナーとして活躍した大河原さんが明かす(写真はイメージ)

 1962年に設立されたタツノコプロが今年、60周年を迎える。タツノコアニメに命を吹き込んだ、声優・歌手・スタッフたちの話から当時の制作舞台裏の様子を振り返る。『タイムボカンシリーズ』に登場するメカの生みの親であるメカニックデザイナー・大河原邦男さんに聞いた。

 日本のアニメ界で初のメカニック専門のデザイナーとして活躍し、『機動戦士ガンダム』(1979年)のロボット(モビルスーツ)デザインなどを手掛けた大河原さんも、タツノコプロに所属していた。

 24才のとき、妻の実家に近いという理由でタツノコプロに入社し、最初は背景などを描く美術課へ配属された。そこで、上司で美術監督だった故・中村光毅さんから、『ガッチャマン』のタイトルロゴデザインを任される。

「“空を飛んでいるようなタイトルロゴを”と言われ、頭を悩ませながら作りましたが、それが認められて以降、今度は敵メカや自動車などのメカニックデザインを任せられるようになりました」

メカデザインはすべて任され自由に描けた

『ガッチャマン』は人気を博し、2年にわたって放送された。その中で次第に、メカを専門にデザインさせてもらえるようになり、クレジットに“メカニックデザイナー・大河原邦男”と肩書が入るようになった。こうして日本初のメカニックデザイナーは生まれた。

 幼い頃から、実家の蔵にあった農業用機械などを分解して遊んでいたという経験も生かされた。

「メカニックデザインとは、アニメに登場するロボットや乗り物をデザインします。ネジの1本にいたるまで、どの角度から見てもアニメーターが描けるように形を決めるのが仕事です」

『タイムボカンシリーズ』では、『ヤッターマン』以降の作品のゾロメカなどを一任された。「ヤッターアンコウ」「ヤッターパンダ」も彼のデザインだ。1話で70以上のデザイン画を描くなど、多忙を極めたが、社員を家族のように大切にする吉田さんのもとに集まった仲間との仕事は楽しかったという。

「『ヤッターマン』はおもしろければどんなデザインでもよかったんです。自由度が高くて、私だけでなく皆、楽しんで作っていましたね。アニメ制作のすべてをこのときに学んだので、私の血肉はタツノコプロで育まれたようなものです」

関連記事

トピックス

大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
石川県の被災地で「沈金」をご体験された佳子さま(2025年4月、石川県・輪島市。撮影/JMPA)
《インナーの胸元にはフリルで”甘さ”も》佳子さま、色味を抑えたシックなパンツスーツで石川県の被災地で「沈金」をご体験 
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン
隣の新入生とお話しされる場面も(時事通信フォト)
《悠仁さま入学の直前》筑波大学長が日本とブラジルの友好増進を図る宮中晩餐会に招待されていた 「秋篠宮夫妻との会話はあったのか?」の問いに大学側が否定した事情
週刊ポスト
新調した桜色のスーツをお召しになる雅子さま(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
雅子さま、万博開会式に桜色のスーツでご出席 硫黄島日帰り訪問直後の超過密日程でもにこやかな表情、お召し物はこの日に合わせて新調 
女性セブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバム、
「『犯罪に関わっているかもしれない』と警察から電話が…」谷内寛幸容疑者(24)が起こしていた過去の“警察沙汰トラブル”【さいたま市・15歳女子高校生刺殺事件】
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
週刊ポスト