ライフ

頭頂部が禿げることがある“新型水虫” レスリングや柔道の国際試合経由で日本上陸か

“新型水虫”の脅威とは(イラスト/斉藤ヨーコ)

“新型水虫”の脅威とは(イラスト/斉藤ヨーコ)

 人間は様々な感染症とともに生きていかなければならない。だからこそ、ウイルスや菌についてもっと知っておきたい──。白鴎大学教授の岡田晴恵氏による週刊ポスト連載『感染るんです』より、アタマジラミについてお届けする。

 * * *
 近年、学校現場(特に中学・高校)で“新型水虫”という言葉を耳にします。

 医学用語ではありませんが、そのような名前で呼ばれている皮膚真菌症の頭部白癬(しらくも)や体部白癬(たむし・ぜにたむし)の集団発生が報告されるようになっています。学生さんが感染すると、家庭などで家族や周囲の人にこの新型水虫を拡げることになりますから、決して他人事ではありませんね。

 原因のトリコフィトン・トンズランス菌は白癬菌の一種で、おそらくレスリングや柔道などの国際試合で海外から入ってきたと考えられています。2000年頃から国際交流のある格闘技選手らの中で目立ち始めました。今は一般の人にも拡がって、国内に数万人の感染者がいるとみられています。

 従来の水虫とは異なり、頭部や首筋など上半身を中心に発症します。トンズランスの語源はキリスト教の修道士が頭頂部を丸く剃る“トンスラ”で、この新型白癬菌の感染がひどくなると頭頂部が禿げることがあることからつけられました。

 そもそも白癬菌は、ヒトの皮膚の角質層・毛・爪などの蛋白質を食べて寄生します。トリコフィトン・トンズランス菌の症状は、初期の頃はあまり目立たずに進行して、体部白癬では首・顔・上半身に小豆大から爪大に角質が剥がれてピンク色の発疹ができ、その後、赤く輪を書いたような環状の発疹になります。早期治療が大切で、皮膚科医で処方された塗薬での治療になります。

 頭部白癬は、カサブタができる程度から、頭皮が盛り上がって膿が出て、脱毛するような症状まであります。症状がなくとも毛穴に入り、周囲の人に感染させてしまうこともあります。皮膚科医師から処方された飲み薬での治療になりますが、菌が少量であれば専用の薬用シャンプーで対応できる場合もあります。しかし、この白癬菌は毛髪や皮膚に入り込むとなかなか駆除できず、根気強く治療を続けることが大切になります。

関連キーワード

関連記事

トピックス

幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン
フレルスフ大統領夫妻との歓迎式典に出席するため、スフバートル広場に到着された両陛下。民族衣装を着た子供たちから渡された花束を、笑顔で受け取られた(8日)
《戦後80年慰霊の旅》天皇皇后両陛下、7泊8日でモンゴルへ “こんどこそふたりで”…そんな願いが実を結ぶ 歓迎式典では元横綱が揃い踏み
女性セブン
WEST.中間淳太(37)に熱愛が発覚、お相手は“バスり”ダンスお姉さんだ
《デートはカーシェアで》“セレブキャラ”「WEST.」中間淳太と林祐衣の〈庶民派ゴルフデート〉の一部始終「コンビニでアイスコーヒー」
NEWSポストセブン
犯行の理由は「〈あいつウザい〉などのメッセージに腹を立てたから」だという
「凛みたいな女はいない。可愛くて仕方ないんだ…」事件3週間前に“両手ナイフ男”が吐露した被害者・伊藤凛さん(26)への“異常な執着心”《ガールズバー店員2人刺殺》
NEWSポストセブン
食欲が落ちる夏にぴったり! キウイは“身近なスーパーフルーツ・キウイ”
《食欲が落ちる夏対策2025》“身近なスーパーフルーツ”キウイで「栄養」と「おいしさ」を気軽に足し算!【お手軽夏レシピも】
NEWSポストセブン
Aさんは和久井被告の他にも1億円以上の返金を求められていたと弁護側が証言
【驚愕のLINE文面】「結婚するっていうのは?」「うるせぇ、脳内下半身野郎」キャバ嬢に1600万円を貢いだ和久井被告(52)と25歳被害女性が交わしていた“とんでもない暴言”【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
遠野なぎこと愛猫の愁くん(インスタグラムより)
《寝室はリビングの奥に…》遠野なぎこが明かしていた「ソファでしか寝られない」「愛猫のためにカーテンを開ける生活」…関係者が明かした救急隊突入時の“愁くんの様子”
NEWSポストセブン
WEST.中間淳太(37)に熱愛が発覚、お相手は“バスり”ダンスお姉さんだ
《独特すぎるゴルフスイング写真》“愛すべきNo.1運動音痴”WEST.中間淳太のスイングに“ジャンボリお姉さん”林祐衣が思わず笑顔でスパルタ指導
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
「どうぞ!あなた嘘つきですね」法廷に響いた和久井被告(45)の“ブチギレ罵声”…「同じ目にあわせたい」メッタ刺しにされた25歳被害女性の“元夫”の言葉に示した「まさかの反応」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)が犯行の理由としている”メッセージの内容”とはどんなものだったのか──
「『包丁持ってこい、ぶっ殺してやる!』と…」山下市郎容疑者が見せたガールズバー店員・伊藤凛さんへの”激しい憤り“と、“バー出禁事件”「キレて暴れて女の子に暴言」【浜松市2人刺殺】
NEWSポストセブン
先場所は東小結で6勝9敗と負け越した高安(時事通信フォト)
先場所6勝9敗の高安は「異例の小結残留」、優勝争いに絡んだ安青錦は「前頭筆頭どまり」…7月場所の“謎すぎる番付”を読み解く
週刊ポスト
目を合わせてラブラブな様子を見せる2人
《おへそが見える私服でデート》元ジャンボリお姉さん・林祐衣がWEST.中間淳太とのデートで見せた「腹筋バキバキスタイル」と、明かしていた「あたたかな家庭への憧れ」
NEWSポストセブン