9月27日14時から、故・安倍晋三元首相の国葬が日本武道館で営まれる。国葬には国内から約3600人、海外からは首脳級の48人を含めて約700人の合わせて4300人ほどが参列する予定となっている。
式壇には安倍氏がつけ続けていた議員バッジと拉致被害者救出の思いを表すブルーリボンバッジが安置されることになっている。その式壇が「富士山」をモチーフに作られることは既に報じられているが、式壇のデザインにはどんな意味があるのか。
式壇は正面中央下部に国旗が配置される。その左右には、富士の広く伸びた裾野を表現する緑と、頂にかぶった雪をイメージした白い花々が飾られる。それらが正面から見ると台形となっており、雄大な富士山が形作られている。そして、式壇の上に大きな遺影が掲げられる。
安倍氏が富士山を愛していたことは有名だ。富士のふもと、山梨県鳴沢村に別荘を構え、長期休暇のたびにそこで骨を休めていた安倍氏。2018年には来日したインドのモディ首相を別荘に招待し、夕食会を開いたこともある。その年の元日にはTwitterで、〈東京はとっても良いお天気で富士山が綺麗に見えました。その神々しい姿に思わず手を合わせ、年頭にあたり我が国の平和と繁栄を祈念いたしました〉と投稿していた。
ゴルフ好きな安倍氏のお気に入りコースとして知られているのが、山梨県富士河口湖町の「富士桜カントリー倶楽部」。富士山北麓に位置し、ほとんどのホールから華麗な富士を間近に見ることができる。
だからこそ式壇は富士山をイメージしたものになったのだが、全体のデザインには、実はもう一つ意味がある。会場関係者が明かす。
「中央の国旗の部分には、まっすぐ頂上に伸びるように見える白と黄色の花で作られた“道”があります。
これは、安倍さんが自著でも書いていた“わたしは闘う政治家でありたい”“闘う政治家とは国家、国民のためとあれば批判を恐れず行動する政治家のことだ”という言葉をイメージし、その政治家としての道のりをまっすぐな花の道としてデザインしたものです」
14時から始まる葬儀では、その式壇に遺骨が安置される。