巨人・坂本勇人(33)が女性醜聞に揺れているが、“球界の盟主“巨人軍への忖度なのか、大メディアは完全スルーを決め込んでいる。この状況について「紳士たれ」を貫いてきたOBはどう見るか。名遊撃手として活躍した広岡達朗氏が物申す。
「私の時代は巨人軍に憧れて入団し、球界の盟主と言われた巨人の選手のマネをすれば野球人として恥ずかしくないとの信念があり、野球界すべての手本を目指しました。しかし今の選手の振る舞いはまるで芸能人のようです。問題は教育がゼロなこと。今の選手は『巨人軍は常に紳士たれ』という正力松太郎の言葉を忘れているのではなく、教わっていないんです。
記者の質も低下した。私は今もスポーツ紙を3紙取っているがロクな記事がない。昔の記者は水準が高く、よく勉強して、下手な采配やプレーを批判してきた。でも今の記者は全然野球を勉強していません。ファンが選手を育て、メディアが厳しく書いて選手を反省させる。そんな時代が遠い昔になりました」
今後の巨人と大メディアのあるべき関係性については、こう続ける。
「私の時代は選手もメディアもファンも“野球は繁栄しなくてはならない”という強い思いを持ってお互いに接していました。これからも野球の繁栄を第一に考えて、巨人とメディアが互いに厳しく接して、切磋琢磨してほしい」
忖度やズブズブの関係は、巨人軍やプロ野球のスポーツとしての魅力にも影響しかねない。今後、両者の間の歪な関係を正すことはできるか。
※週刊ポスト2022年10月7・14日号