芸能

逝去の三遊亭円楽さん、4年前に撮影していた「遺影」ならぬ「寿影」

円楽師匠

渡辺達生氏が撮影した三遊亭円楽さんの寿影

 落語家の六代目・三遊亭円楽(さんゆうてい・えんらく、本名・會泰通)さんが亡くなった。72歳だった。日本テレビ系『笑点』のレギュラーメンバーとして長く活躍し、“腹黒”キャラでお茶の間の笑いをさらった大物落語家の逝去に、悲しみの声が広がっている。

 円楽さんは2022年1月に脳梗塞を発症。リハビリを経て8月に高座復帰を果たしたが、再び体調が悪化していた。死因は肺がん。円楽さんが生涯の師匠としてきた、五代目三遊亭円楽さん(2009年逝去)と同じ病だった。

 円楽さんは、4年前の2018年に週刊ポストのグラビア企画で「遺影」ならぬ「寿影」を撮影していた。

「寿影」とはグラビア界の第一人者である写真家・渡辺達生氏の造語で、“人生最期の写真を笑顔で撮ろう”というコンセプト。葬儀で使用される『遺影』の“遺”の文字には暗くて辛気臭いイメージがあると感じていた渡辺氏が、代わりにこれまでの人生を祝う意味を込めて、美しい響きを持つ“寿”を選んで命名したものだ。

 円楽さんは「私の一品」として銀座・宮脇賣扇庵の京扇子を手に取り、撮影に臨んだ。当時、こう語っていた。

「俺の人生、人の言いなり。落語家も師匠に誘われ、頼まれたことやってたら円楽にまでなっちゃった。でも、流されるのも面白い。ここまで来たら大したもんだ、上げ潮のごみだってな」

 その円楽さんは、たびたび週刊ポストの取材に協力してくれた。芸能人の不倫報道が相次いでいた2020年には、かつて「錦糸町ラブホ不倫」が報じられた円楽さんに“不倫の作法”を聞こうと直撃。

「え~~、やめとけよ、もぉ~」と笑いながら、「しょうがないなぁ~、5分でいい?」と、こう応じてくれた。

「俺自身のことを言えば、会見で『不倫』って言葉は使わなかった。俺は『恋』をして、『口説いた』わけよ。これを作法って言うのかどうかはわからないけどね。もちろん、『口説いた』という言葉で言い訳できるもんじゃないけど、そのあたりの姿勢っていうのが、最近のケースとは違ったのかもね」

──「許される不倫」と「許されない不倫」にはどんな違いがあると思いますか。

「難しいなぁ。線引きなんてできないよ。それでも、『許す心』ってやっぱり大事だよね。神はすべてを許す、じゃないけどさ。何かを許すっていうのは一番難しいけど、一番尊いことなんだと思うよ。後はさ、その人が命がけでやってる仕事を見てほしいよね。芸能人なら芸事をね。月並みだけど、そこでちゃんと評価してあげてほしいのよ」

 2016年に不倫が報じられた際には会見を開いて事実を認め、「アモーレ円楽。円楽改め“老いらく”と呼んで欲しい」「今回の騒動とかけまして、東京湾を出て行った船と解きます」(その心は?)「コウカイの真っ最中です」と、会場を笑いの渦に巻き込んだ円楽さん。その人柄は、誰からも愛されるものだった。ご冥福をお祈りします。

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン