滋賀県野洲市の小学校で2年生の担任だった50代の男性教諭が他の児童の前で男子児童を「スルー(無視)しよう」などと繰り返し発言し、学校が「いじめ行為」と認定して担任を交代させたことが9月29日、分かった。
市の教育委員会の報告によると、この教諭は今年5月ごろから男子児童が授業中に質問した際、「言葉を知らんな」「うるさい」「スルー(無視)しよう」などと繰り返し発言。教諭の発言を受け、クラスの同級生も同調することもあった。さらに教諭は、発達障害の疑いがあると決めつけ、男児の保護者に「早急に検査を受けるべきだ。効く薬がある」などと伝えたという。教諭は学校の聞き取りに「仕事が忙しく、質問で授業が止まらないようにスルーしようと言ってしまった。自分の発言で他の児童を助長して申し訳なかった」と説明している。学校は8月に保護者への説明会を開き、2学期から担任を交代させた。教諭は体調不良を訴え休職している。
今回、教育委員会は被害者の保護のため学校名や教諭名を明らかにしていない。しかし、いじめの詳細が報じられるや、その悪質さから保護者間で話が広がっている。以前、子供の担任だったという保護者は驚きを隠せない。
「子供が高学年の時に担任してもらいましたが、教育熱心でいい先生だと思っていました。ほかの先生がパソコンで作成する学級通信も全部手書きで、イラストまで丁寧に描いて、子供も親もいつも見るのを楽しみにしていました。授業の一環で百人一首をやる時も、子供たちが楽しみながら覚えるように、それぞれの段階に合わせて合格証のような物を作ったり、経験豊富な先生らしく、細かい気遣いができる先生という印象でした」