一方で、“やせ菌”の一種として近年注目を浴びている「アッカーマンシア菌」は、日本人の腸内には少ないという。
「もともとは“アッカーマンシア菌以外にも、日本人に特有の、肥満のコントロールに役立つ菌があるのではないか”という経緯から研究がはじまり、ブラウティア菌の発見に至りました」(國澤さん)
アッカーマンシア菌は一般的な日本人の腸内では少ないが、アスリートの腸内には多いという特徴がある。
「アッカーマンシア菌は、胃腸の粘膜から分泌されるムチンをえさにして増えるといわれています。ムチンはたんぱく質を摂って充分な睡眠をとり、ストレスをなくし、規則正しい生活をしている人の腸内に増えやすい。アスリートのような徹底した自己管理や健康的な生活習慣が、アッカーマンシア菌を増やすのに役立っていると考えられます」(岩崎さん)
國澤さんは、今回の研究は日本人特有の体質を説明できる、1つの発見だと語る。
「今後の研究次第では、日本人一人ひとりの体質に応じた、栄養指導の個別化や層別化が可能になるかもしれません」(國澤さん)
事実、日本人の腸内細菌は世界でも特異で、諸外国と比べると、私たちは特殊な体質を持っていると言える。日本人の体質に合った食習慣や健康法を実践すれば、いま以上に健康で、長生きできるようになるかもしれない。
※女性セブン2022年10月20日号