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「動いて治すのが世界の新常識」 腰の痛みを解消するためのセルフケア体操

東大・松平式「腰痛これだけ体操」

東大・松平式「腰痛これだけ体操」

 多くの人が悩む体の痛みといえば「腰痛」ではないか。厚生労働省の調査によると、腰痛は仕事が原因で4日以上休む疾患の「第1位」だ。東京大学医学部附属病院特任教授で情報サイト『腰痛ケア.COM』監修者の松平浩医師が言う。

「私たちが2011年に全国6万5000人を対象に実施した大規模調査では、一生のうちに腰痛を経験する人の割合が83.4%に上りました」(以下、「 」内は松平医師)

 腰痛と一口に言っても、その種類は症状や部位ごとに様々ある。痛みに対処するには、まず、自分の感じる腰の「痛み」がどの腰痛に分類されるのかを把握する必要がある。

 腰痛の8割以上は、痛みが3か月以上続く「慢性腰痛」や「ぎっくり腰」など、深刻な病因がない腰痛だという。残りのなかでシニアに多いのが「脊柱管狭窄症」だ。松平医師はこう言う。

「慢性腰痛は、ストレスや姿勢の悪さなどの生活習慣によるものが大半で、医師が治療する“病気”とは違います。(痛みに投薬や施術で対処する)現代の腰痛治療が必ずしも上手くいくとは限りません。実は腰痛は、動いて治すのが世界の常識です。

 例えば、ぎっくり腰になった人を『できるだけ安静』『痛みを我慢できる範囲で活動』に分けて比較したところ、『安静』のほうが再発率が3倍以上も高かったとの研究結果があります」

 そう語る松平医師が推奨するのが、「腰痛これだけ体操」だ(図参照)。

「不安やストレスによる脳機能の不具合が主な原因である慢性腰痛は、簡単な体操で痛みを緩和することが可能です。まず、足を肩幅に開き、腰のベルトラインあたりに開いた両手をなるべく近づけて当てます。顎を軽く引きながら両肘を内側に寄せるようにして、手首に近い部分で骨盤を徐々に前に押し込みます。

 この時、ひざは曲げないで爪先に重心を置き、体を反らせて息を吐きながら3秒間キープします。全体で10秒もかかりません。この体操で背筋の筋肉がほぐされて、滞った血流が改善され、背筋の疲労が回復しやすくなることがわかっています」

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