10月6~7日の2日間、東京・両国国技館で大相撲の「ファン感謝祭2022」が開催され、ファンクラブ会員や墨田区の住民ら約5000人が駆けつけた。2005年に相撲協会設立80周年記念として開催された「大相撲ふれあい感謝祭」以来、17年ぶりのイベントだが、そこで存在感を放っていたのは、引退後も注目度の高い元横綱・白鵬の宮城野親方だった。
相撲担当記者が言う。
「今回は若手親方が中心となって企画を出し合いました。頭の固い執行部の親方衆と違って現代っ子のユニークな親方が多く、ファンが力士や親方と触れ合える22種類の体験型の企画が採用された。参加者の満足度は高く、普段の協会運営に若手親方を参加させればもう少し柔軟な協会になるのではないかといった声も聞かれました」
手押し相撲、卓球、トランプ、チェスなどで力士と対戦する企画や、体験型企画としての塩まき、行司・呼び出し、場内アナウンス、優勝経験力士とパレードカー記念撮影などが催された。ファン参加型のみんな四股踏み、餅つきといった企画もあれば、相撲のど自慢、手形早押しなどファンが相撲を身近に感じられる試みの数々で来場者を喜ばせた。
各企画には横綱・照ノ富士や大関・貴景勝ら現役力士はじめ、スイーツ親方の芝田山親方(元横綱・大乃国)も参加していたが、そのなかでやはり目立っていたが元横綱・白鵬の宮城野親方だった。「手形早押しギネス挑戦」では1分間で104枚の手形を押してギネス記録に認定された。これまで通算勝利数や優勝回数などによるギネス認定証を7枚持っており、8枚目のギネス認定書に「末広がりの8、勝ち越しの8。縁起がいい」と満面の笑みを見せた。
「モンゴルの大統領にチェス盤をもらった」という宮城野親方とチェスで対戦できるコーナーもあり、相撲のイベントとしては異彩を放っていた。「優勝経験力士とパレードカー記念撮影」でも大人気で、元横綱・稀勢の里の二所ノ関親方や現役横綱の照ノ富士も霞むほどだった。
報道陣に「一番近い距離で関取衆や裏方に会えるチャンスですから、来年もまたやっていきたい」と前向きなコメントしていた宮城野親方。まだ髷がついたままの新米親方だが、若手親方のリーダー的な存在として改めて認識した関係者は少なくない。
「白鵬はやることにそつがない。元横綱であっても新米親方は本場所では場内警備などの下働きを早朝からこなさないといけないが、それも率先してやっている。現役時代が重なっている若手親方は頭が上がらないこともあって、白鵬に合わせて動いているようにさえ見える」(ある親方)