岡田彰布氏が阪神の次期監督に就任することになった。岡田氏といえば前回の阪神監督時代にジェフ・ウィリアムス、藤川球児、久保田智之の「JFK」で7回以降の必勝パターンを構築したが、今季の阪神は守護神を固定できなかった。
現役時代は南海などでプレーし、阪神で一軍バッテリーコーチやヘッドコーチも務めた黒田正宏氏は、「令和版JFK」を夢見る。
「矢野阪神は中継ぎ以降が中途半端だった。かつて試行錯誤しながら頑丈な久保田をセットアッパーにしてハートの強い藤川を抑えに起用した時のように、今回も岡田は性格や体力などの適性を見極めながら、先発、中継ぎ、抑えをしっかりと確立させるんやないかな。与えられた戦力で戦うのがうまい監督だと思う」
今シーズン最多勝利や最優秀防御率などのタイトルを獲得した青柳晃洋(28)をはじめ先発陣はリーグ屈指の安定感を誇っている。一見、先発陣には不安要素がないように見えるが、阪神番記者はこう語る。
「監督就任報道で真っ先に記者の間で話題となったのが、西勇輝(31)の動向です。岡田さんがオリックスの監督を務めていた時代(2010~2012年)、西もチームに所属していましたが、強引な投手起用や厳しい懲罰に不満を漏らしていたという。西は今シーズンFA権を取得していますから、岡田さんとのことを考えると行使する可能性が高いのではと囁かれています」
さらに、今オフにポスティング・システムによるメジャー挑戦の希望を表明している藤浪晋太郎(28)の先行きも注目される。スポーツ紙デスクが語る。
「岡田さんとも協議をしたうえで正式にメジャー挑戦が決まると思われるがこれがどうなるか。2006年オフに井川慶がポスティング・システムでメジャーに挑戦しているが、当初、岡田さんは反対していた。それでも契約更改で毎年のように直訴する井川がきっちり成績を残したから最終的には認めた。藤浪の場合は結果を出しているとは言えない。ポスティングを認めず、他球団の投手とトレードを断行する可能性は十分に考えられる」
そしてより厳しいメスが入ると思われるのが外国人選手だ。
9月29日のラジオ解説で岡田氏は、「数が多すぎる」とも口にした。阪神は現在、今シーズン33試合の出場に留まるマルテ(31)など7人の助っ人外国人を抱えている。黒田氏はこう言う。
「岡田が外国人の数が多すぎると解説で嘆いていたけど、確かに外国人選手は少数精鋭でええわな。岡田は外国人選手はピッチャー2人、野手2人で十分という考え方をしている。その人数でいいから、実力をしっかり見極めるということでしょう」
※週刊ポスト2022年10月21日号