巨人・原辰徳監督の来季続投が決まった。今季は68勝72敗3分けと2年連続で負け越して4位に終わり、CS進出を逃したことで、今季は3年契約の1年目だったにもかかわらず進退が注目されていた。スポーツ紙の報道によると、原監督は優勝争いから脱落した8月下旬、山口寿一オーナーに進退伺を申し入れたが、その後に何度も会談していくなかで、最終的には続投の意欲を見せるに至ったという。
来季に向け、コーチ陣のテコ入れが始まっている。村田修一1軍打撃兼内野手守備コーチ、金杞泰1軍打撃コーチ、横川史学1軍打撃コーチ、実松一成1軍バッテリーコーチ、松本哲也2軍外野守備走塁コーチ、後藤孝志3軍打撃コーチと6コーチが今季限りで退任。新たに元楽天監督の“デーブ”こと大久保博元氏が打撃コーチに、阿波野秀幸氏が投手チーフコーチ、鈴木尚広氏が外野守備走塁コーチとして入閣することが判明した。また、阿部慎之助作戦兼ディフェンスチーフコーチがヘッドコーチに、川相昌弘ファーム総監督が1軍総合コーチに就任する方向で調整を進めている。桑田真澄1軍投手チーフコーチはファーム総監督に配置転換されるという。
スポーツ紙デスクは、コーチ陣刷新についてこう分析する。
「今季の防御率3.69、打率.242は共にリーグワースト。投打のコーチ陣が責任を取るかたちとなった。ただ、548得点はリーグ3位と決して悪い数字ではない。1点を取る野球について突き詰めていく必要はありますが、低迷の大きな原因は投手陣です。今季は継投策をめぐり、原監督と桑田コーチの意見がかみ合っていないように見えた。原監督が矢継ぎ早にリリーバーを投入する『マシンガン継投』は救援陣が疲弊する。ヘッドに配置転換された阿部コーチ、新たに投手チーフコーチに就任した阿波野氏は原監督に異を唱えるタイプではない。デーブさんも自身のYouTube番組で原監督を“憧れ”と何度もリスペクトを強調している。コーチ陣の顔ぶれを見ると原監督に強くモノを言えない体制は変わっていないように思います」
気になるのは、巨人ファンの「声」だ。原監督の続投に、反発の意見がSNS上で予想以上に多い。リーグ優勝9度、日本一3度に導いた名将だが、近年の戦いぶりは精彩を欠いている。2019、2020年とリーグ連覇を飾ったが、日本シリーズではソフトバンクに2年連続4連敗。史上初の不名誉な記録で祝福ムードとはならなかった。昨季は61勝62敗20分と負け越してV逸。今季も優勝争いに絡めず、同一監督による2年連続負け越しは巨人では初だった。