イギリス・ダイアナ元皇太子妃(享年36)の没後25年となるメモリアルイヤーに公開を迎える映画『スペンサー ダイアナの決意』(10月14日公開)。「実際の悲劇に基づく寓話」としてダイアナが未来の王妃の座を捨ててまで選んだ、新たな人生へ踏み出すまでの心の軌跡を描き出す。
1991年、クリスマス。ロイヤルファミリーが揃って休暇を過ごすエリザベス女王の私邸を舞台に、苦悩に満ちたプリンセスをクリステン・スチュワートが熱演。アクセントや眼差し、立ち居振る舞いを完璧に身につけてダイアナが秘めた孤独までも演じきり、自身初のアカデミー賞主演女優賞ノミネートに輝いた。
同作はフィクションとして、過去のドキュメンタリー映像では決して切り取られることのなかった内なる葛藤も細やかに描かれ、劇中では“誰も見たことのないダイアナ”とも対面できる。
実話に基づいた作品だけに、同じくダイアナを題材とした公開中のドキュメンタリー映画『プリンセス・ダイアナ』とあわせて見ることで、ダイアナの抱えるどうしようもない孤独と闇の深さがより一層胸に迫る。
世界中に愛をふりまきながら、愛に傷つき、愛を求めたプリンセス。そこにはありのままの自分を取り戻し、愛することも含まれた。もがき苦しみながらも自分の意志で信じる道を進んだダイアナの物語は、あなたの目にどう映るだろうか。
一方、世界初となる劇場版ドキュメンタリー映画『プリンセス・ダイアナ』。ナレーションやテロップでの解説や分析はなく、過去の映像のみで見る者に訴えかける。
「愛、悲劇、裏切り、復讐――そのすべてが詰まっている」と、作品の監督でドキュメンタリー作家のエド・パーキンズがそう語った、ダイアナの半生。王室へ嫁ぎ、母となった幸せの絶頂から夫チャールズ皇太子の不倫、自身のスキャンダル、別居、離婚をめぐる赤裸々な暴露、王室との確執、突然の事故死――本人の肉声が残された映像、当時のニュース番組やホームビデオなど同時代に刻まれた膨大な映像が、「ダイアナが生きた時間」を浮き彫りにする。
※女性セブン2022年10月20日号