今年8月に、SNSで再始動する予定であることを明かした中森明菜(57才)。そんな明菜に期待されているのが、紅白歌合戦への出演だ。放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、中森明菜の「紅白待望論」について綴る。
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私の姿を見つけると「おねえさ~ん」と駆け寄ってきてくれた
『NHK紅白歌合戦』の話をしても「早すぎる」と誰からもツッコまれない季節がやってきました。
“今年の目玉”となりそうなのは、デビュー50周年の矢沢永吉サン(73才)、松任谷由実サン(68才)、そして郷ひろみサン(66才)。各々、音楽特番にサプライズ出演したり、記念のアルバムをリリースしたり、CM出演本数が増えたり……と精力的に活動されています。
そして、40周年の「花の82年組」。なかでも“中森明菜サン(以下、明菜チャン)待望論”は春先から盛り上がっていたものです。最大のきっかけとなったのは、NHKが明菜チャンのコンサート映像『中森明菜 スペシャル・ライブ1989 リマスター版』だけを流すという異例の番組をBSプレミアム含め、今年だけで3回も放送したから。当初、局内では「いまさら?」という声もまったくなかったワケではなかったと聞きました。が、やはり明菜チャンは数字を持っていたというワケです。
実は、ここ何年も音楽番組は高視聴率を取れずにいます。『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)のタモリさん(77才)をはじめ、終了してしまいましたが『うたばん』(TBS系)の石橋貴明サン(60才)、『HEY! HEY! HEY! MUSIC CHAMP』(フジテレビ系)のダウンタウンさんなど、MCに“お笑い系”の皆さんを起用していたのは、トーク部分で数字を稼ぐためといわれていました。
これまで何度か、音楽番組の毎分グラフ(1分ごとの視聴率を表す折れ線グラフ)を目にする機会がありましたが、曲になると、みるみる数字が下がっていった。それは老若男女、誰もが聴きたがり、テレビを見ながら盛り上がったりしていたであろう、たとえばモーニング娘。さんの『LOVEマシーン』が大ヒットしていた当時などでさえ、トーク部分よりは上がっていなかったのです。
ですが前述の明菜チャンのコンサート映像は、バックステージの様子や、彼女が顔見知りの記者やファンの皆さんの姿を客席に見つけて、心からうれしそうな表情をしたりする様子こそ挟まれていたものの、大半は歌唱映像。加えてDVDになっていない“お宝”だったことから、改めて多くの視聴者が画面に食いついたのです。実際、NHKの3番組は前4週の平均視聴率より高い結果となりました。