50代以上の髪の主な悩みは、細毛、薄毛、抜け毛によるボリュームダウン。解決策は、意外にもケア用品を“変える”ことではなく“やめる”ことにあった。
ヘアケア剤で頭皮は炎症を起こしていた!?
「髪が細くなってハリやコシがなくなったり、抜けて薄くなってきたと嘆く50代以上のお客さまが多いんです」
とは、ヘッドスパの第一人者である山本幸恵さんだ。
「細毛、薄毛、抜け毛の主な原因は、頭皮の炎症にあります。犬や猫といった動物も、皮膚炎を起こすと毛が抜けてしまいますが、これと同様のことが人間にも起こります。こう説明すると、ほとんどの人が“痛みもかゆみもない。
見た目にも炎症など起こっていない”と言われます。しかし、かゆみや痛みが出たら、それは炎症がかなり進んだ証拠。時間をかけて進む、本人でも気づきにくい軽度の炎症が毛根を弱らせ、細毛、薄毛、抜け毛を増やしていくのです」(山本さん・以下同)
少しずつ髪が変化していくため、老化のせいだと思われがちだ。白髪は確かに老化が影響するが、これらの悩みの原因はそれだけではないのだ。では炎症はなぜ起こるのか。
「それはシャンプー剤やコンディショナー剤に含まれる化学物質の影響です。わずかな含有量であっても、長年にわたって毎日使うことで、化学物質が頭皮にダメージを与え、炎症を引き起こすのです」
石けんで洗い、クエン酸で中和を
なぜヘアケア剤に、化学物質が含まれているのか。
「サラッとした手触りや香りのよさ、静電気の抑制などを消費者が求めるからです」
では、一体どんなヘアケア剤を選ぶべきなのか。
「いちばん髪と頭皮にダメージを与えない方法は、石けんで洗うこと。手や体を洗う市販の固形石けんで構いません。ただ、それだけだと石けんかすが頭皮にたまってしまうので、クエン酸などを溶かした酸性の水(湯)を最後にかけて中和させ、石けんかすを落とします。レモン水でも構いません。洗面器1杯の湯に市販のレモン果汁大さじ1杯を溶かした液を、頭皮と髪にかけるのです。その後は軽くすすぎます」