密着する2人
「もはや従来の視聴率は正確な視聴者数を計る物差しでは無くなっていると言えるのかもしれません。テレビ業界やCMスポンサーたちも、それ以上にSNSでの反響や見逃し配信を含めた全体の人気を重要視し始めています」(前出・広告代理店関係者)
実際、視聴率争いでは低迷し続けているフジテレビだが、今年上半期の「AVOD」(広告付き動画配信)サービスでは、再生数、UB数(ユニークブラウザ数)、総視聴時間の全部門で民放1位となった。これには同局の港浩一社長も「若い人が積極的に見に来るところでこういう結果が出ていることは、フジテレビにとってとてもいいことだと思っています」と満足した。
一方、メインターゲットが高齢者層の連続ドラマ『相棒』(テレビ朝日系)は、この10月の第1 話で17.3%の好結果を記録した。世代によってコンテンツに違いが出てきて、人気を計る物差しも多様化してきているが、おかげで「良い作品はより見つかりやすい」時代になってきた。ここしばらくは、テレビ離れ、ドラマ離れと消極的なイメージがついて回っていたが、ドラマ制作側にとってもやりがいのある新時代が幕を開けたようである。