9月30日、2年半近く続いた秋篠宮邸の改修工事がようやく完了した。改修工事は2020年3月にスタートしたが、新型コロナの影響で2か月ほど作業がストップしたことや、世界的な物流の停滞・混乱で予定通りに資材調達ができなかったことなどにより、工期は大幅に遅れた。
今後長らくお住まいになる邸宅が気になるのは無理からぬこと。紀子さまは、ヘルメットを着用され、何度も改修中の宮邸に足を運ばれ、現場の職員にご要望を伝えられた。注意深く、細かいところまで目が届かれる紀子さまならではのご注文もあり、「もっと金(きん)を使ってほしい」「大理石はイタリア製を」とのご要望もあったという。最終的な改修費用は約34億円に上った。
紀子さまの度重なるご注文は、改修工事前から始まっていたという。
「設計段階で何度も方針転換があったそうです。また改修工事が始まってからもたびたび、宮内庁の工務課が紀子さまとの念入りな打ち合わせを行ったといいます。
紀子さまは、秋篠宮さまが皇位継承順位第1位の皇嗣であるという立場上、お客さまの接遇などに支障をきたすわけにはいかないという強い使命感をお持ちなのでしょう。金や大理石といったリクエストは、主に賓客の接遇などに使われたり、メディアを招き入れる際に使用する部屋に集中していたといいます。外国産の素材にこだわるのではなく、日本文化を取り入れるといったことに配慮してもよかったのでしょうが……」(宮内庁関係者)
そこまでして紀子さまがこだわりを見せられた理由は何だったのか。
「皇嗣である秋篠宮さまは、皇太子待遇です。翻って、紀子さまは“皇太子妃”なわけです。どうやら、紀子さまは、皇太子妃時代の雅子さまを強烈に意識されているように思えるのです」(皇室ジャーナリスト)
改修に際しては、旧・東宮御所(現・仙洞御所)の規模が踏襲されたという。旧・東宮御所は、現在の天皇ご一家が皇太子時代にお住まいになっていた。秋篠宮さまが、皇太子待遇としてさまざまな公務や接遇を担われることを考えると、参考にすることに疑問を挟む余地はない。
「旧・東宮御所は、上皇さまが皇太子だった1960年に落成しました。その後、幾度か改修を行いながら、いまの天皇ご一家のお住まいとなりました。
玄関を入ってすぐのロビーのような部屋には日本画家・吉岡堅二が描いた鶴の屏風絵が飾られ、会見場にはふんだんに檜材が用いられている。大規模な接遇を行う部屋の壁面では、昭和を代表する日本画家・東山魁夷の作品が存在感を放ち、所々に金や白金の箔押しが施されています。
旧・東宮御所に招待された賓客は、決して華美にはならず控えめでありながら、厳かな雰囲気をたたえる邸宅と、そこにいらっしゃる陛下と雅子さまのたたずまいに思わず息をのむほどだったといいます」(前出・皇室ジャーナリスト)