本来であれば、病に悩む患者を助けるのが医師の仕事。ところが、あってはならない不祥事が相次いでいる。
茨城県では10月4日、宿直勤務中にビールを大量に飲んだ医師が、患者に点滴針を挿入していた事例が発覚。福岡県では8日、運転中に飲酒検知を求められた医師が、これを拒否して飲食店のトイレに立てこもった末に、警察官を突き飛ばして公務執行妨害で逮捕される事件が発生。6日には、静岡県の焼津市民病院に務める男性研修医は、救急搬送を巡って消防隊員らとトラブルになり、消防士3人を殴って骨折させる事件が発生した。
患者にしてみれば、自分の命と健康を脅かしかねない問題のある医師には出会いたくない。事前に見分けることは可能なのか。医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師は言う。
「まずインターネットで医師の経歴などを検索してください。院長や常勤医にもかかわらず、病院のホームページ等に経歴が詳しく記されていない場合は、過去に何かしらのトラブルを起こしている可能性がある。比較的新しいクリニックで、院長や医師が頻繁に代わるケースも要注意です。何らかの問題を抱え、職場を転々としている医師の受け皿になっている可能性があります」(上医師)
実際の診療時にも、「ヤバい医師」を見分けることはできる。都内総合病院に勤務する50代の男性外科医が明かす。
「医師は他の職業以上に衛生管理が求められるため、手指や身だしなみも判断のポイントです。医師の手や爪が汚れたまま診察をしていたら、衛生管理ができていない証拠。触診前に手の消毒をしない医師も問題がある」(外科医)
医師の態度や言動も、善し悪しを見分ける材料になると上医師は言う。
「患者にぶっきらぼうだったり、何か聞くと早口でまくし立てるなど、面倒臭そうに対応する医師は要注意です。例えば、他院への紹介状を書きたがらない、セカンドオピニオンを嫌うような態度が見られたら、気を付けたほうがいい。
紹介先などに自分の施した治療を見せることになるので嫌がるわけですが、そうした医師は不勉強で知識がアップデートできておらず、技量に自信がない可能性がある。あるいは、プライドが高くて患者を囲い込もうとしているケースも考えられます」