プロ野球でセ・パ両リーグの頂点を決める「日本シリーズ」が10月22日に開幕する。昨年と同じくヤクルトとオリックスのカードになったが、注目度は昨年以上だろう。なんといっても注目は投手5冠のオリックス・山本由伸(24)と史上最年少の3冠王に輝いたヤクルト・村上宗隆(22)の対決だ。山本は敵地・神宮球場で行なわれる第1戦で登板予定だが、大物OBたちは2人の対戦をどう見ているのか。
「史上最高のサブマリン投手」と呼ばれた名投手で元阪急(現・オリックス)の山田久志氏は「なかなか予想がしにくい対決だ」と語る。
「この対戦は楽しみだね。由伸は様々な球種を投げ分けて、そのボールがいずれも高いレベルです。追い込んだ後にスライダーやフォークで打ち取る好投手なら多くいますが、すべての球種でカウントが取れて、勝負球にも使える投手は由伸だけでしょう。さらに制球力も抜群ですからね。当然、村上も追い込まれたらマズいと思うでしょうから、この2人の勝負は意外と“早期決着”になる打席が多いかもしれません。
ただ由伸サイドから見れば、村上にインコースを意識させないとダメだと思っているでしょう。それができないとあのバッターを打ち取ることは難しい。インコースをいかに意識させて、その後、落ちるボールやアウトコースのボール球で勝負できるか。楽しみですね」(山田氏)
日本シリーズは「全てを出し切れるか」がカギ
同じく阪急でプレーした通算350勝投手の米田哲也氏は、山本と村上の対戦はシリーズの行方を左右するのではないかと予想する。