ライフ

和田秀樹氏が指南 健康寿命を伸ばすには受験と同じく「楽する工夫」が大事

「いかに楽をして健康でいるか」を説く和田秀樹医師

「いかに楽をして健康でいるか」を説く和田秀樹医師

 受験界の最高峰「東京大学理科三類」、通称・理三。そこを卒業して医師として活躍する人は、医学界の“常識”に囚われないそれぞれの健康哲学を持っている。ベストセラー『80歳の壁』の著者・和田秀樹医師は、歳を取るなかで大事なのは「いかに楽をして健康でいるか」と説く。そこには自身の受験勉強に通じる哲学があった。

 * * *
 私は東大医学部で学びはしましたが、決して「天才」ではありませんでした。受験では努力はしましたが、難しい塾に通ったり、先生に言われた勉強法を真面目にやったりしたのではありません。自分で戦略を立てて、勉強法を工夫したんです。

 その勉強法とは、「少しでも楽をする方法」を考えることでした。440点満点で290点を取れば受かるなら、150点までは落とせるという発想です。あまりにも不得手なものは捨て、易しい問題から点を取る。邪道と言われても、数学なら解法を丸暗記する。同じ結果を出すなら、少しでも楽なほうがいい。

 私は戦略や工夫を重視します。受験で覚えた内容が社会で役に立つ機会は少ないですが、身につけた勉強のやり方、工夫は絶対に役に立ちます。

 私が言いたいのは、老後の健康寿命を延ばすにも、そのような「工夫」が必要だということです。この考え方は、歳を取れば取るほど、重要度が増していく。様々な能力が落ちていく高齢者ほど、上手に楽をすることが必要になるからです。

 例えば歳を取って足腰の筋力が落ちた時、昔と同じように歩きたかったら、どうするか。

 筋力向上のために「運動」で鍛えるのはいいけど、ずっと続けられることではないでしょう。足腰の筋力を保つことも心がけながら、杖を使うとか、恥ずかしがらずに歩行の補助器具を使うことも大切です。

 自動車の運転も同じです。運転が不安だからと、単純に控えたりするのではなく、これまで以上に安全な運転ができるように工夫するのです。

 そのための方法はたくさんある。同乗者に横に乗ってもらうとか、遠出はしないで慣れた道だけ運転するとか。雨の日に運転しないと決めるのもそう。最終的には自動運転に頼るという発想など工夫と戦略です。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン
和歌山県警(左、時事通信)幹部がソープランド「エンペラー」(右)を無料タカりか
《和歌山県警元幹部がソープ無料タカり》「身長155、バスト85以下の細身さんは余ってませんか?」摘発ちらつかせ執拗にLINE…摘発された経営者が怒りの告発「『いつでもあげられるからね』と脅された」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン