阪神・岡田彰布監督が就任し、チーム改革が着々と進んでいる。10月20日のドラフト会議では、巨人が1位指名を公表していた浅野翔吾(高松商高)を敢然と指名。クジで競合となり、原辰徳監督が交渉権を引き当てたが、関西メディアのボルテージは上がっている。在阪テレビ局関係者はこう期待を込める。
「浅野選手を獲得できなかったのは残念だけど、巨人の単独指名を阻止して果敢に挑んだ。原監督に抽選で堂々と対峙する岡田監督の姿が頼もしかったですね。今年は3位に終わり悔しいシーズンになったが、阪神ファンの話題は岡田タイガース一色です。戦力で他球団に見劣りするわけではない。岡田監督ならリーグ優勝に導いてくれると思います」
外れ1位で指名した森下翔太(中央大)も十分に期待できる右の強打者だ。プロで活躍するためにはミート能力が課題とされるが、走攻守3拍子揃った選手で手薄な外野のレギュラーを十分に狙える。
岡田監督は就任早々にトレードも敢行した。江越大賀と齋藤友貴哉を放出し、日本ハムから渡邉諒、高濱祐仁を獲得。2013年ドラフト1位で日本ハムに入団した渡邊は、二塁のレギュラーが固まらない補強ポイントに合致する。2019年に132試合出場で打率.262、11本塁打、58打点とレギュラーをつかみ、2020年も打率.283、6本塁打をマーク。直球に滅法強いことから「直球破壊王子」の異名をとる。一方で、二塁の守備範囲は広くなく、ミスも目立つ。今季21試合出場と激減したのは、守備力を重視する新庄剛志監督の方針に合わなかったのだろう。
「岡田監督は二遊間の守備力を重視しているので、渡邊の獲得に疑問を持ったファンがいるかもしれないが、第2次政権では内野の守備に難があった今岡誠(現・真訪)をスタメンで使い続け、2005年は球団記録を更新する147打点をマークし、リーグ優勝に貢献している。渡邉も持ち味の打撃で結果を残せば、レギュラーの可能性は十分にある。守備も鍛え直せば改善できると判断したのでしょう」(スポーツ紙デスク)