プロ野球界にまた新たなスキャンダルが報じられた。10月26日に配信された『文春オンライン』の記事によると、広島東洋カープの捕手・中村奨成(23)が、今年3月にSNSを通じて知り合った30代女性と親密な関係になり、女性は新たな生命を授かったが、中村に結婚の意思はなく、〈おろすしかないじゃん〉などと要求したというものだった。この報道にネット上では、〈責任感のなさは糾弾されるべき〉〈赤ヘルが馬鹿ヘルに成り下がった〉など厳しい声が相次いでいる。
中村と言えば広陵高校(広島)3年生だった2017年に夏の甲子園で大会記録となる1大会6本塁打を放った「甲子園のスター」だった。その後、同年10月のドラフト会議で広島・中日に1位指名され、クジで交渉権を引き当てた地元球団の広島カープに入団する。
本誌・週刊ポストでは、2017年夏の甲子園期間中の練習会場で、中村に柳川悠二氏(ノンフィクションライター)が声をかけて取材した内容を報じている(同年9月8日号)。練習を終えた後、写真撮影をねだる野球少年たちに笑顔で対応していた中村は、ユニフォーム姿の少年たちが視界に入るなかで、こんなふうに話していた。
「自分、小さい子供がめっちゃ好きなんです。良いお父さんになれますか?」
中村が広陵高校に進学したのは、監督である名将・中井哲之氏との出会いがあったからだ。中学生だった中村は、野球の実力はたしかだったものの生活態度に問題があったというが、それをはっきり指摘し、「男として真っ直ぐに生きろ」と叱責したのが中井氏だった。当時、中村はこう振り返っていた。
「自分の技術を褒めてくださる方が多い中で、中井先生は自分の人間的にダメなところを指摘してくださった。入学して自分という人間がすべて変わりました」
「打撃で憧れるのは坂本勇人さん」
プロを夢見る高校球児だった中村は、広陵の10年先輩である巨人の小林誠司が守備面での憧れの選手だと話していた。「的確なリードだけでなく、投手陣に絶妙なタイミングで声をかけている。そのあたりが上手いと思うんです。打撃は坂本勇人(巨人)さんです」とも語っている。