スポーツ

山本由伸の故障は投球過多の代償か 「年間180イニング超」で故障者続出のデータも

昨年193回、今年193.2回を投げたうえ、CS、日本シリーズでも投げ続けた山本由伸(撮影:藤岡雅樹)

昨年193回、今年193.2回を投げたうえ、CS、日本シリーズでも投げ続けた山本由伸(写真:JMPA/藤岡雅樹)

 オリックス・山本由伸の故障は2年連続で200イニング近くを投げた代償なのか──。昨年に続いて沢村賞を受賞した山本が日本シリーズ第1戦で左脇腹を痛め、4回途中で降板した。その後の経過も思わしくなく、今シリーズの登板は絶望的と見られている。

「中嶋聡監督は『行くかもしれへんで?』と登板の可能性を匂わせていますが、あくまでカモフラージュでしょう。もし本当に投げさせたら、故障が悪化し、選手生命に関わってくるかもしれない。無理はさせないと思います」(プロ野球担当記者。以下同)

 山本は昨年193回、今年193.2回を投げており、クライマックスシリーズや日本シリーズにも登板した。疲労は確実に蓄積していたと思われる。過去10年、パ・リーグで投球回数180以上を記録したのはオリックスの金子千尋、楽天の田中将大、楽天の則本昂大、ロッテの涌井秀章、ソフトバンクの武田翔太、西武の菊池雄星、ソフトバンクの千賀滉大、オリックスの山本由伸と8人いる(球団は当時)。実は、彼らの多くが2年以内にケガをしているのだ。

「投手に故障は付きものですが、データとして突きつけられると考えさせられます。2016年に183回投げた武田は翌年に右肩の違和感を訴えた。3月のWBCに選ばれ、急な調整をしなければならない影響もあったでしょう。この年以降、2桁勝利から遠ざかっています。

 2017年に187.2回投げた菊池雄星は2018年に左肩の張りを訴えている。それでも14勝して翌年にメジャーに行きましたが、期待されたほどの成績は残せていない。千賀は180.1回を投げた2019年オフに右肩、翌年1月に右ふくらはぎに違和感を覚えています。金子は2013年に223.1回、翌年に191回とフル回転しましたが、オフに右ヒジの骨棘の除去手術をしてメジャー行きを断念しています。その後は以前のような投球ができなくなりました。

 2013年に212回を投げて24勝0敗1セーブで楽天を日本一に導き、ヤンキース入りした田中も翌年7月に右ヒジの違和感を訴えています。則本は2014年の202回から始まって、5年連続180回以上放っており、現代では驚異的なスタミナを誇っていました。しかし、2019年の春に右ヒジ関節鏡視下のクリーニング手術を行い、その年から2年連続5勝に終わっています。涌井は2年連続188.2回を投げた翌年の7月に右太もも裏を吊ったような状態になって途中降板しましたが、その後もローテーションを守り続けた。ただ、その年は5勝11敗と奮いませんでした。則本や涌井のタフネスぶりはあくまで例外の範疇です」

関連キーワード

関連記事

トピックス

現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
逮捕された元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告(過去の公式サイトより)
「同僚に薬物混入」で逮捕・起訴された琉球放送の元女性アナウンサー、公式ブログで綴っていた“ポエム”の内容
週刊ポスト
まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン