関東で行なわれることもあって、このレースには23回も騎乗させてもらっています。ジョッキー時代には考えたこともなかったけれど、数々の名馬の走りを間近で見てきたことになります。スタート前の輪乗りの時など、強い馬からはオーラが出ているのを感じました。
そんな歴史あるレースですが、問題視されるのが1コーナー奥からのスタートなので、2コーナーまでの距離が短いこと。どうしても外枠を引くと不利。僕自身厳しかったなあという実感があったので数えてみたら、半数以上の12回が7枠と8枠でした。ただし枠順も抽選で決まるので、不公平とは言えません。枠順がよくても出遅れる馬はいるし、脚質によっては、必ずしも内枠にこだわらない馬もいます。割り当てられた枠順に対する陣営のコメントに注目してみてはいかがでしょうか。
【プロフィール】
蛯名正義(えびな・まさよし)/1987年の騎手デビューから34年間でJRA重賞はGI26勝を含む129勝、通算2541勝。エルコンドルパサーとナカヤマフェスタでフランス凱旋門賞2着など海外でも活躍、2010年にはアパパネで牝馬三冠も達成した。2021年2月で騎手を引退、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートした。
※週刊ポスト2022年11月4日号