いつまでも健康で美しくいたいと思ったとき、まず考えるのは食事のこと。とりわけ一日の最初に体に入れる朝食は大切にしたいもの。では、年齢を重ねても美しく、はつらつとしている人たちは、どんな朝食を食べているのだろうか──。秋吉久美子(68才)の朝の過ごし方やライフスタイルに迫った。
1970年代初頭に鮮烈なデビューを果たし、時代を象徴する存在に。年を経ても常に「わが道を行く」イメージの秋吉久美子。
現在ひとり暮らしの彼女は、どんな朝を過ごしているのだろうか?
「こう見えて、案外流されながら生きていて(笑い)、ルーチンというものを決めない派です。趣味の読書に没頭し、夜中まで読みふけってしまうこともあるので、日によって起きる時間も違います。朝は朝で、メールチェックをしたり、ペットの亀にトウモロコシをあげたりして、自分のための時間が持てないんですよ。強いて言えば、朝食(ブランチのことも)は必ず食べますね」(秋吉・以下同)
2年ほど前に体形の変化を感じ、ダイエットに励んだ。
「お風呂場で『誰かいる……』と気配を感じて鏡を見たら、ふくよかだった母親そっくりの自分でした(笑い)。びっくりして、ものすごい勢いでダイエットをしたものです。
以来、食べるものと時間には気をつけています。朝食なら罪悪感がないと信じているので、普通の家庭の晩ご飯のような感覚でしっかりといただき、夕食は抑えています」
定番の朝食メニューはあるのだろうか?
「これもないんですよ。というのも、群馬県在住のパティシエの親友からは、自分の畑で採れたいちごやルバーブ(茎の赤い野菜)、キウイなど季節のコンフィチュール【*1】を、静岡に住む叔母からはブルーベリーをざくざくとつぶしたジャムをいただくんです。
さらに、滋賀県でレストランを経営するシェフの親友も採れたての野菜やお米を送ってくれます。
だから、その時々の食材に、私を合わせていくという感じで、『今日はヨーロッパ風にしてみようか』『今日は玄米に合わせて干ものかな』と、想像を巡らせながらメニューを考えます。
私がすごく喜ぶからでしょうか、本当にいろいろなかたからおいしい食材をいただくのは、ありがたいことです」
【*1 コンフィチュールとは、果物をシロップや香辛料と一緒に煮詰めたもの。ジャムと比べて砂糖の量が少なく、果物の形状が残ったものが多い】
秋吉には、人がおいしいものをふるまいたくなるオーラがあるのかもしれない。
「小学生のとき、友達のおばあちゃんの“かれいの煮付け”に感動してすごく喜んだら、私が遊びに行くたびに『久美ちゃん、お食べ』ってかれいの煮付けを作ってくれました。
また後年、旅先のインドで『バナナ食べたいなあ』とつぶやいたら、向こうから歩いてきたお坊さんが、いきなりバナナをくれたことも。不思議でしたねえ(笑い)」