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日本医師会・日本老年医学会が警告する「75歳以上の服用は要注意の薬」26種リスト

国際未病ケア医学研究センター長の一石英一郎医師

国際未病ケア医学研究センター長の一石英一郎医師

 薬にはベネフィット(利益)とともにリスクがつきものだ。服薬によるトラブルは、年齢を重ねるごとに増していく。その代表的な問題は「多剤処方」だ。複数の薬を服用することによる健康被害が数多く報告されている。

 その対策に取り組む日本医師会、日本老年医学会は、75歳以上の高齢者が服用するうえで、特に注意を要する薬をリスト化し、主な26種を整理している。

 国際未病ケア医学研究センター長の一石英一郎医師が言う。

「高齢になると薬の成分の分解や排泄に時間がかかるようになります。薬の用法や用量は、年齢や体調の変化に応じてきめ細かく見直す必要がある」

 長年飲んできた薬だとしても、75歳頃を目安に、そのまま飲み続けてよいものか、改めて医師と相談する必要があるのだ。

 リストを見ると、降圧剤ではループ利尿薬が挙げられている。効きすぎることによる腎機能の低下や、低血圧によるふらつき、転倒などの副作用リスクが指摘されている。

 糖尿病治療薬も多く掲載されており、インスリン分泌促進系のスルホニル尿素薬(SU薬)について「効きすぎることによる低血糖が問題視される」というのは、ナビタスクリニック川崎の谷本哲也医師だ。

「糖尿病治療薬で最近話題に上るのはSGLT2阻害薬です。効果は高いですが、尿量が増えるため、高齢の方は脱水症に注意しなければなりません。また、尿中に糖分が出るので細菌繁殖による膀胱炎、腎盂腎炎などの尿路感染症を起こすリスクがあります。

 リストにある薬は、75歳以上に使ってはいけないのではなく、必要な場合は最小限の量で気をつけて用いましょうというものです。高齢の方は薬の副作用によるふらつきや転倒が、骨折による寝たきりなど二次被害の原因にもなるため、特に注意が必要です」(同前)

 谷本医師は、抗血栓薬にも注意を促す。

「血管が詰まると脳梗塞や心筋梗塞になるので、必要な人には使いますが、血液がサラサラになりすぎるので、腸から出血したり脳出血を起こしたりする人がいる。メリットとデメリットが表裏一体の薬なので、使用には十分な注意が必要です」

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