一日の最初に体に入れる朝食は大切にしたいもの。年齢を重ねても美しく、はつらつとしている人たちは、どんな朝食を食べているのだろうか──。料理研究家・小林まさみさん(52才)に、朝食について聞いた。
34才で料理研究家に転身し、現在はさまざまなメディアで活躍中の小林さん。定年後に小林さんのアシスタントとなり、現在はシニア料理家として活躍する義父・小林まさるさん(89才)と、夫との3人暮らしだ。
「3人一緒に食事できるのが朝だけなので、朝食は必ず摂ります。特に、私と義父は撮影などで昼が遅くなるため、朝しっかり食べないと体力がもちません。わが家の朝ご飯は、普通の家庭よりボリュームがあると思います」(小林さん・以下同)
小林さんの起床は朝5時。カフェオレを飲み、家族が起きる前に事務処理などの仕事を片付けるのが日課だ。
「家族が起き出す7時前後に冷蔵庫を確認し、その日の朝食メニューを決めます」
朝必ず食べるものは?
「たんぱく質は絶対に摂ります。卵に加えて豆腐や納豆、焼き魚やしらす、ソーセージやベーコンなど、主食によって変えています。
89才の義父は、ありがたいことに食欲旺盛ですが、多くのお年寄りは食が細くなり、特にたんぱく質が不足しがち。朝からしっかり摂取してほしいですね。
野菜も摂りたいけれど、朝から準備をするのが面倒なことも。私は、さつまいもやじゃがいも、小松菜など、少しずつ余った野菜をまとめて蒸して、朝食の付け合わせにします。和食にも洋食にも合うし、冷蔵庫の整理にもなります。前の日に蒸しておけば、翌朝さっと出せます」
朝、効率よく栄養を摂れるおすすめレシピは?
「常備菜を作っておくと便利ですね。たとえば、『ひじきのふりかけ』。乾燥ひじきを戻して炒め、しょうゆ少々で味付けした後にカリカリ梅や青じそ、塩昆布などを入れて混ぜます。ご飯はもちろん、サラダにも合います。
また、紫玉ねぎを酢とはちみつ(好みで)につけた『酢玉ねぎ』を作り置きしておけば、いろいろな野菜と合わせたり、ピザトーストにのせたり、何かと便利です」
小林さんが主宰する料理教室でも好評だったのが、アラブ発祥の調味料「デュカ」だ。
「アーモンドや松の実など好みのナッツを炒って細かく刻み、クミンなどのスパイスや塩を加えて混ぜるだけ。オリーブオイルを塗ったパンにつけたり、焼いた肉にかけてもおいしいですよ。日持ちするので瓶に入れて食卓に置いておけば、重宝します」