巨額の年俸を手にするプロ野球選手は、それに見合うだけの活躍が求められる。その期待に応えられなければ“給料ドロボー”と呼ばれても仕方がない。今季、最もコストパフォーマンスが悪かった選手は誰か──。【野手編。投手編を読む】
野手のコストパフォーマンスは、統計学を利用して野球を分析するセイバーメトリクスの「RC」という指標で判断した。RCは安打や四球に盗塁や犠打などの要素を加え、その選手が「得点を生み出す力」を示す。RC50の打者は50得点を生み出し、全選手のRCを合計するとチームの総得点とほぼ一致する。
打者のコスパを計るため、RC1ポイントあたりの年俸を算出した。
「RC100以上でリーグトップクラスですが、今季100を超えたのは、157をマークしたヤクルト・村上宗隆(22、推定年俸2億2000万円)と109のオリックス・吉田正尚(29、推定年俸4億円)の2人のみ。チームを優勝に導いた2人は、統計上も高額年俸に見合う選手ということです」(広尾氏)
逆にワースト1位だったのはロッテ・加藤匠馬(30)だ。24試合10打席の出場機会でRCが0.01となり、1ポイントあたりの換算額が跳ね上がった。ワースト2位は巨人・小林誠司(33)。
「1億円の年俸をもらいながら大城卓三(29、209位)との正捕手争いに敗れ、スタメン29試合、打率1割4分8厘に終わった。阿部慎之助ヘッドコーチも『1億円もらってるんだから』と苦言を呈していた通り、期待外れでしょう」(前出・スポーツ紙記者)
ワーストのランク外ながら、来る契約更改の動向が注目されるビッグネームもいる。
「巨人・坂本勇人(33、43位)は5年契約の4年目だったが、すでに変動年俸制。60試合も欠場しておりコスパの良い選手とは言えない。年齢的な衰えや腰痛、女性スキャンダルも重なり、年俸6億円から大幅ダウンもあり得ます」(同前)
ちなみに今回のランキング対象には「一軍出場がなかった選手」は含まれないが、野手では年俸2億円ながら故障で一軍出場なしの巨人・梶谷隆幸(34)がおり、“コスパ最悪レベル”と言わざるを得ないだろう。