ライフ

食に関する意外な事実「サラダチキンは高たんぱく」「豚しゃぶより生姜焼きの方が健康的」

サラダチキンのたんぱく質量も重要

サラダチキンのたんぱく質量も重要

 健康のために大切なのが食事。ただ、間違った思い込みで、せっかくの健康食を“食わず嫌い”しているのなら、それはとてももったいない。代表的なのが牛や豚のヒレ肉、もも肉などに代表される赤身肉だ。コレステロール値の上昇や動脈硬化の原因になるといわれるが、避けるのはもったいない。内科医で日本中医薬学会理事の関隆志さんが言う。

「牛肉、豚肉、羊肉などの『レッドミート』が大腸がんリスクを高めるといわれますが、これはロンドンにある世界がん研究基金と米国がん研究協会による、欧米人のデータをもとにした発表です。日本の国立がん研究センターは“日本人の平均的な摂取の範囲であれば赤肉や加工肉がリスクに与える影響はないか、非常に小さい”と結論づけています」(関さん・以下同)

 そもそも、欧米人と日本人では、肉の消費量に大きな違いがある。2019年のアメリカの1人あたりの牛肉の消費量が128.4kgなのに対し、日本はわずか51.1kgだ。一般的な日本人の食習慣では、健康に影響が出るほど肉を食べすぎるケースは少ないといえる。

 肉は、そのリスク以上に、ビタミンB群、鉄、亜鉛なども豊富に含んでおり、健康食としての側面の方が大きい。

「赤身肉は、食べすぎると動脈硬化や心筋梗塞のリスクを高めますが、摂取量が少なすぎると、脳卒中のリスクが上がります。日本人は心筋梗塞よりも脳卒中で亡くなる人の方が多いため、無理に肉を避けない方がいい」

 一方、豚しゃぶは脂を落とすことができ、一見ヘルシーに思えるが、脂と一緒にビタミンB1も流れてしまうので、しょうが焼きの方が健康的だ。RDクリニック医師で東海大学兼任講師の北條元治さんは、赤身肉はもっとも効率的なたんぱく源だと語る。

「1日に摂るべきたんぱく質は、体重1kgあたり1.5gです。例えば、体重50kgの人なら毎日75gのたんぱく質が必要です。ダイエット食としても人気のサラダチキンのたんぱく質量は、1個あたり約20g。食材としては高たんぱくですが、1日の必要量を摂るには3、4個必要です。必要量を摂るには、豆腐などの大豆製品、肉、魚などをバランスよく組み合わせて食べるしかありません」

 それでも足りない場合は、良質なサプリメントで補う。一方、市販のプロテインパウダーやプロテイン飲料は、体調や体質によっては不向きで、たんぱく質の過剰摂取につながる。

「市販のプロテインパウダーは、牛乳が原料のホエイプロテインが主流。これは吸収が速い一方、腸内細菌のバランスが乱れたり、怒りっぽくなるほか、肝機能障害や腎機能障害を招きます。これらは誰にでも起こるわけではありませんが、特に腎機能が低下している人は、たんぱく質は食品から摂るべきです」(関さん・以下同)

 たんぱく質は、肉や大豆製品以外の食品からも摂取できる。北條さんによれば、パンやパスタ、うどんといった小麦製品にも、たんぱく質は含まれる。近年、小麦のたんぱく質「グルテン」がアレルギーを引き起こす「セリアック病」が知られるようになったが、これは遺伝性の疾患であり、セリアック病を持っている人でなければ、危険性は低い。

「中医学では、小麦は動悸や不眠症、のどの渇きを改善する食材で、全粒粉には精神の安定作用があるといわれます。小麦にアレルギーがなければ避ける必要はないと、内閣府が発表しています」

関連キーワード

関連記事

トピックス

2024年末に第一子妊娠を発表した真美子さんと大谷
《大谷翔平の遠征中に…》目撃された真美子さん「ゆったり服」「愛犬とポルシェでお出かけ」近況 有力視される産院の「超豪華サービス」
NEWSポストセブン
新政治団体「12平和党」設立。2月12日、記者会見するデヴィ夫人ら(時事通信フォト)
《デヴィ夫人が禁止を訴える犬食》保護団体代表がかつて遭遇した驚くべき体験 譲渡会に現れ犬を2頭欲しいと言った男に激怒「幸せになるんだよと送り出したのに冗談じゃない」
NEWSポストセブン
警視庁が押収した車両=9日、東京都江東区(時事通信フォト)
《”アルヴェル”が人気》盗難車のナンバープレート付け替えで整備会社の社長逮捕 違法な「ニコイチ」高級改造車を買い求める人たちの事情
NEWSポストセブン
地元の知人にもたびたび“金銭面の余裕ぶり”をみせていたという中居正広(52)
「もう人目につく仕事は無理じゃないか」中居正広氏の実兄が明かした「性暴力認定」後の生き方「これもある意味、タイミングだったんじゃないかな」
NEWSポストセブン
『傷だらけの天使』出演当時を振り返る水谷豊
【放送から50年】水谷豊が語る『傷だらけの天使』 リーゼントにこだわった理由と独特の口調「アニキ~」の原点
週刊ポスト
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
《英国史上最悪のレイプ犯の衝撃》中国人留学生容疑者の素顔と卑劣な犯行手口「アプリで自室に呼び危険な薬を酒に混ぜ…」「“性犯罪 の記念品”を所持」 
NEWSポストセブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《離婚後も“石橋姓”名乗る鈴木保奈美の沈黙》セクハラ騒動の石橋貴明と“スープも冷めない距離”で生活する元夫婦の関係「何とかなるさっていう人でいたい」
NEWSポストセブン
原監督も心配する中居正広(写真は2021年)
「落ち着くことはないでしょ」中居正広氏の実兄が現在の心境を吐露「全く連絡取っていない」「そっとしておくのも優しさ」
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
〈山口組分裂抗争終結〉「体調が悪かろうが這ってでも来い」直参組長への“異例の招集状” 司忍組長を悩ます「七代目体制」
NEWSポストセブン
休養を発表した中居正広
【独自】「ありえないよ…」中居正広氏の実兄が激白した“性暴力認定”への思い「母親が電話しても連絡が返ってこない」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(時事通信フォト)
「うなぎパイ渡せた!」悠仁さまに筑波大の学生らが“地元銘菓を渡すブーム”…実際に手渡された食品はどうなる
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン