スポーツ

大阪桐蔭に異変「なぜドラフトで指名されない?」西谷浩一監督が直球質問に答えた

大阪桐蔭高校の西谷浩一監督

大阪桐蔭高校の西谷浩一監督

 春4度、夏5度の全国制覇を成し遂げた高校野球の“常勝軍団”大阪桐蔭高校。数多のプロ野球選手を輩出してきたが、いま異変が起きている。ノンフィクションライターの柳川悠二氏がレポートする。

 * * *
 3年前の秋、U-15侍ジャパンの試合が行なわれた愛媛・坊っちゃんスタジアムで目撃した一発が忘れられない。180cmを超える体躯の中学3年生はダイヤモンドを疾走し、センターからの強肩ぶりも目を見張った。その日、少年は言った。

「大阪桐蔭で春夏連覇を達成したい。目標はもちろんプロ野球選手です」

 現役競輪選手の父を持つ海老根優大は今春の選抜、そして夏の甲子園でも特大の本塁打を放った。だが、プロ野球ドラフト会議で名前が呼ばれることはなかった。同校の西谷浩一監督は言う。

「足と肩は素晴らしいモノがある。バッティングをいかに上げていくかをテーマに取り組んできましたが、上のレベルに行くには認めてもらえなかった部分がある」

 今年のドラフトでは捕手の松尾汐恩が横浜DeNAより1位指名を受けた。一方で海老根とエースの川原嗣貴が指名漏れ。OBでも上位指名が噂されていた立教大の山田健太や早稲田大の中川卓也が呼ばれず、厳しい現実が突き付けられた。

「こればかりはプロの評価なので、仕方ないと思っています。卒業生である山田も現実を理解して、もう一度、頑張ってくれるのではないでしょうか」

 来春の選抜で大阪桐蔭は2連覇に挑む。隆盛期を迎える一方で、ドラフトではプロの“大阪桐蔭離れ”が起きている。なぜか──。

「目標は甲子園で勝つこと」

 現在のプロ野球には23人の大阪桐蔭OBがいるが、今秋のFA戦線の目玉である森友哉(2013年入団、埼玉西武)以降、所属球団の顔となるような選手は生まれていない。

「プロにも(高卒、大卒、社会人からなど)色々な入り方がある。確かに森以降、レギュラーにはなれていないかもしれませんが、いずれにせよこれからです」(西谷監督)

 2018年にドラフト1位で入団した根尾昂(中日)は守備位置が定まらず、今季途中から投手に。千葉ロッテの藤原恭大も定位置を確保出来ていない。さらにエース右腕だった柿木蓮(北海道日本ハム)、大型左腕の横川凱(巨人)も、今オフに育成契約を打診された。

関連キーワード

関連記事

トピックス

吉本新喜劇の顔として活躍する島田珠代さん(撮影/井上たろう)
【吉本新喜劇の顔】島田珠代(54)が明かす「パンティーテックス」誕生秘話 「私のギャグは下品とは思っていない」「少女漫画のヒロインのように」の思い
NEWSポストセブン
登録者数80万人を超えるYouTubeチャンネル「みつともチャンネル」を運営する妻の幸巴さんと夫の光雄さん
《YouTuber年の差夫婦「みつともチャンネル」》“推し”の高校生アイドルとバツイチ男性が交際・結婚…妊娠した妻が振り返る「出会い」
NEWSポストセブン
NHK・東京アナウンス室の中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《裸に見える服》NHK中川安奈アナ、インスタ再開で見えた「フリーへの布石」突如出現したピンクのハートマーク
NEWSポストセブン
2
《2010年NHK紅白で『トイレの神様』熱唱の植村花菜》フルで9分52秒の名曲が7分50秒に縮小された理由「すべて歌えないのなら出場できなくても」
NEWSポストセブン
1986年 紅白歌合戦に急遽代打で出演した際の記者会見(時事通信フォト)
《布川敏和が語った還暦で『シブがき隊』再結成》解隊から36年「決定権はもっくんが握っている」「やっくんは同じ思い」の熱烈ラブコール
NEWSポストセブン
(写真提供/宮内庁)
〈伝統破りの経緯を宮内庁は説明せよ!〉とSNSで批判 秋篠宮一家が「半蔵門」を使用することは“不当行為”なのか 宮内庁は“問題ナシ”と回答
NEWSポストセブン
3人組「シブがき隊」もそのひと組。1988年に解散(解隊)後、俳優、タレントとして活動する布川敏和さん
《中森明菜が六本木のディスコで意外なおねだり》「元シブがき隊」布川敏和が告白「18歳で初めて助手席に乗せたのは小泉今日子ちゃん」、“花の82年組”の意外な距離感
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
【人生最後の取材】中山美穂さんが見せた孤独感…子育てのためにパリで引退決意も慰留「当初は会えていた」「離れていった母と子の心」創業事務所社長が明かす数々の恋愛と結婚生活
NEWSポストセブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平は「終わっていない」と言及》水原一平被告が迎える「一変したバースデー」“病気”で量刑言い渡しが延期中、真美子さんと交流あった妻は「絶対的味方」として付き添い
NEWSポストセブン
第1子妊娠を報告した大谷翔平と真美子夫人(時事通信フォト)
《真美子さんの前に『お〜いお茶』が…》大谷翔平が公開したエコー写真の米国事情、夫婦がシーズン中に見せていた“異変”「超速帰宅」「違う飲み物を口にして」
NEWSポストセブン
六代目山口組の餅つきに密着した
《六代目山口組の恒例行事・餅つき》「来いって言ってんだろ!アホんだら!」山口組“八代目”候補が声を荒らげた…「緊迫の一瞬」 PCR検査必須の厳戒態勢
NEWSポストセブン
自宅で亡くなった中山美穂さん
《『もう辞めたい』『私にはできない』中山美穂が泣いた日》14歳から39年見続けた“芸能界の父”が明かした素顔、「棺で眠る美穂はきれいでした」最期の別れ
NEWSポストセブン