元アルペンスキー日本代表の皆川賢太郎氏(45)が会長を務める「一般財団法人冬季産業再生機構」が10月31日、都内で記者会見を行ない、雪資源の大切さや地球温暖化を分かりやすく伝える絵本『ゆきゆきだいすき』が11月9日に出版されると発表した。皆川氏の妻で、フリースタイルスキー・女子モーグルで5大会連続のオリンピック出場を果たした上村愛子さん(42)が絵本の作画を手掛けた。
アスリートとして輝かしい実績を残してきた上村さんだが、絵本の製作はもちろん初めてのこと。その画力を知る夫の皆川氏から「描いてみないか」と誘われて始めたが、その過程は楽なものではなく「毎日のようにiPadに向かう日々だった」と言う。延べ1年以上に及んだという製作の舞台裏を上村さんに聞いた。
「白馬の山々の記憶を落とし込んだ」
「昔から絵を描くのは大好きで、お題があれば一生懸命に描くタイプでなのでとても楽しかったです。ただ、『やってみないか』と言われた時は『えっ!?』という感じでした。正直、『私のイラストなんかが絵本になっていいのか』という戸惑いがありました。それでも多くの方々に背中を押していただき、なんとか完成というところまで辿り着きました。特にメインキャラクターの『あいこちゃん』は何度も描き直しました。描き始めの頃と比べて、仕上げる頃にはだいぶ上達しました」(上村さん)
キャラクターに自身の名前をつけたことに関しては、「恥ずかしかったですが(笑)、皆さんに馴染みをもっていただきやすいとのでは、ということで決まりました」(上村さん)という。また描く際には、同じキャラクターであっても状況によって変化をつけた。
「キャラクターを描くにあたって、気をつけたのはあいこちゃんの『表情』です。家の中、雪や自然に戯れている様子だったり、見ている人にワクワクしてもらえるよう状況によって変化をつけています。難しかったのが『背景』です。やはり絵本ですから、しっかり背景も描こうと考えて、これまで私が見てきた長野県・白馬の山々など自分の記憶を落とし込めるように思い浮かべて、季節ごとの色合いを描いていきました」(上村さん)